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Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
313/994

8-3-2.夏休み、バルクの場合



バルクは街魔通りを走りまくる。

街魔通りは商店が多いため、その日の配達の半分以上が集中しているのだ。


1時間程かけて街魔通り関連の荷物を届け終わったバルクは、とある店の前で立ち止まった。


(この店はあんまいい思い出がないんだよな。…まぁ、しょうがないか!)


バルクは元気良く挨拶をしながら店に入って行く。


「こんちわっす!荷物を届けにきました!」


「は~い!」


店の中から聞こえてきたのは、可愛らしい女性の声だった。


(なに?店を間違ったか?あの親父しかいないはずなんだが…。)


バルクは予想外の展開にフリーズ。

店の奥から出て来たのは、レイラだった。


「レイラ!なんでお前がこの店から出てくる!」


「あ、バルク君。夏休みの間、この店で働かせてもらうことになったんだ。」


「お、おう。そうなのか。」


すると、奥から豪快な声が響く。


「おう!いつぞやの少年じゃないか!あのグローブは大事にしてるか?」


シェフズだ。

そう、バルクが入るのを躊躇ったのは「魔法の台所」である。

淡い恋心の記憶。なんて言ってしまえば青春の1ページであるが、バルクとしてはあまり思い出したくない記憶でもある。


「あ、あぁ。大事にしてるぜ!全然使いこなせてないけどな。」


「はっはっは!まぁ、魔具なんてそんな簡単に使いこなせるもんじゃないからな!で、荷物はなんだ?」


「あ、これっす!」


荷物の存在を完全に忘れていたバルクは、慌てて格納用魔具から荷物を取り出す。

少し大きめの小箱だ。


「ん?あぁこれか。ありがとな!」


シェフズは箱の中身を確認すると、二カッと笑顔を浮かべる。


「中に何が入ってるんですか?」


レイラが箱の中を覗こうとするが、パタンと蓋を閉じられてしまう。


「ん?そりゃぁ、教えられないな。もう少し仕事が出来る様になったら教えてやるさ!じゃ、店番よろしくな!」


シェフズは箱を脇に抱えると、豪快に笑いながら店の奥へ行ってしまった。



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