表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Colony  作者: Scherz
第三章 魔法街 光の裏側
312/994

8-3-1.夏休み、バルクの場合



「こんにちわ~!荷物持って来たぜ!」


バルクの元気な声が魔法街南区、街魔通りを囲むように広がる住宅地域に響く。


「あらあら。バルク君だっけ?相変わらず元気ねぇ。お荷物はそれかしら?あらあら、ノブ子さんからね。ありがとねぇ。はい、判子!頑張ってね。」


「おうよ!お婆ちゃんも元気にな!」


バルクは元気に挨拶をすると、次の配達先を目指して走り始める。運ぶ荷物は、大容量の物を格納する事が出来る魔具の中だ。


バルクは夏休みを利用して荷物運びのバイトをひたすらにこなしていた。


魔法が発達しているのだから、魔法で送ればいいじゃん。なんて思うかもしれないが、魔法とて万能ではない。

まず、魔法で物を送る場合は、空を飛翔させる方法が挙げられる。しかし、この方法だと途中で盗難にあってしまう可能性が高いのだ。

また、空間魔法で転移させる方法もあるのだが。そもそも、空間魔法での転移は魔法の中でも高等技術である。その為、使える魔法使いは決して多くはない。そもそも、属性【空間】を持つ魔法使いが根本的に少ないのだ。

空間魔法での転移による輸送サービスもあるにはあるのだが、その値段はかなり高めに設定されている。


これらの要因が重なり、通常の運送サービスも普通に普及している。荷物格納用の魔具があるおかげで、重量に関係なくスムーズに移動できるのが便利な所か。


そして、その仕事にバルクは従事していた。ただし、普通にあちこちを走り回って荷物を運んでいる訳ではない。

両足には10kgずつの重り。両手にも5kgずつの重りがついている。さらにこの重りは、魔力を一定量注入し続ける事で、0kgに変化する。

魔力の細かい操作が苦手なバルクに、ラルフが渡したのだ。


「夏休中はこれを付けて、荷物運びをして来い。

先方には伝えてあるから、明日からよろしくな~。」


という言葉と共に。


こうして、バルクは強制的に荷物運びをさせられているのだが…。


「くぅ!今日も暑い!!だが、俺の運ぶ荷物を待ってる人がいるからな!止まるわけには行かないぜ!」


単細胞のバルクは、直ぐに適応し、普通に楽しく荷物を届けまくっていた。


(えっと、残りの荷物が57個か。あと2時間は掛かるか!最短記録目指して頑張るぜ!)


馬鹿みたいに元気に荷物を運ぶバルクは、一部のマダムの間で評判になっていたりもする。


その後何件かの荷物を届けたバルクは、次の配達物が集中している街魔通りへと移動して行く。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ