8-2-2.夏休み、レイラの場合
教員校舎を出たレイラは、特訓室に行くか悩む。
元々、魔法の練習で行くつもりだったのだが、ラルフに言われた言葉が頭の中をさっきから駆け巡っているのだ。
「レイラに合った魔具が見つかれば、もっと凄くなる。」
今までほぼ魔具を使わずに属性魔法を使ってきたレイラとしては、ちゃんと使ってみたいという気持ちが強い。
更に火乃花に言われた言葉。
「魔具を使わないで、属性魔法をどうして使えているのかが説明がつかない。」
そして、龍人に言われた言葉。
「特別な力を持ってたとすると、変な組織に狙われるかもしれない。」
(やっぱし、ちゃんと私に合ってる魔具を探した方がいいのかなぁ。)
少しの間、校門の前で悩んでいたが、結局魔具を見にくことにした。
(魔法の台所にいって、聞いてみようかな。もしかしたら、凄く安いのがあるかもだし。)
レイラは街魔通りを北に向かって歩き始める。
まだまだ太陽はその猛威を奮っている。上からの熱と、地面から跳ね返る熱がレイラの体温を上昇させる。
(暑いなぁ…。ちょっと熱を遮断しよっと。)
レイラは体に沿う様に、熱を遮断する魔法を張る。
少し歩いて行くと、魔法の台所が見えてきた。
中からは豪快な笑い声が聞こえてくる。
(シェフズさんに聞いてみよっと。中にいるみたいだし。)
「こんにちわー。シェフズさんいますか?」
「おう!いるぞー!誰だ誰だ?お!街立魔法学院のちびっ子じゃねぇか!相変わらず小っせぇな!」
店の中からシェフズが出てきた。
「こんにちわ。あの、魔具を探してて、私に合うのがあるかなって思って。」
「おう!大体何でも揃ってるからな!で、属性はなんだ?」
「はい極属性【癒】です。」
レイラの属性を聞くと、シェフズは顔をしかめた。




