8-1-1.夏休み、火乃花の場合
チチチチチッ
「う…ん…。」
窓の外から聞こえる鳥の囀りで火乃花は目が覚める。
うっすらと目を開けると、モコモコのベッドから首だけ出し、窓の外を見る。朝だというのに、暑そうな日差しが窓から射し込んでいた。
(今日も暑そうね。)
ゆっくりとベッドから下り、洗面台へと向かう。
鏡には、眠そうな顔をした女の子が写っている。自慢の赤いロングヘアーも寝癖で乱れてしまっている。
「シャワーでも浴びようかしら。」
火乃花はそう呟くと、服を脱ぎ出した。花柄のパジャマを脱ぎ、下着姿になる。
そこで、ふと思い付いたかのように鏡に写る自分をもう一度、見る。
「ちょっとお腹…太ったかしら?」
プニ
と、つまんでみる。
プニプニ
「んー…やっぱしキャサリンのプロポーションには敵わないわね。」
身長160cm。そしてFカップの巨乳。決して細身ではないが、デブではない体型。女性らしい体型と表現するのが適当か。
火乃花は、少しの間自分を観察すると、下着を外して風呂場へ向かう。
シャワーを出し、頭から浴びる。
寝起きでボケッとしていた頭が少しずつハッキリとしていく。
水の雫が体を流れ落ち、排水口へと吸い込まれていく。
寝癖が付いていた髪もしっとりと濡れ、体に張り付いている。
「よしっ。そろそろご飯を食べないとね。」
火乃花はシャワーを止め、風呂場から出る。
水を拭き取り、髪を乾かし、外出用の服を着る。
両手を上げてグッと反る様に伸びをする火乃花。当然、胸が強調されるが、ここにはラルフを始めとする男が居ないので、特に問題は無い。
火乃花は朝ご飯を食べる為、家族が食事のために集まる小部屋、ダイニングルームへと向かう。




