7-2-4.夏合宿2日目
「…俺は高嶺龍人だ。」
「おぉう!名前しか言わないのか!?趣味とか好きな女の子とか色々あるだろ!?」
「いや、そんなん初対面で話したくないし。」
冷たく突き放す龍人の台詞に、頭を抱えながら身悶えするクラウン。
(マジで気持ち悪いな。)
一刻でも早くこの場を立ち去りたい…という気持ちがどんどん強くなるが、クラウンに龍人を逃がすつもりは全く無さそうである。
「この俺様が名前を聞いてやってるのに!もう…もう怒ったぞ!俺様の爆弾で黒焦げにしてやる!」
クラウンの両手に爆弾が現れる。
(おいおい。これから合宿の本番なのに、戦うのか?)
ウンザリしながらも、身構える龍人。クラウンは大げさな身振りで両手の爆弾を放った。
やる気が余り起きない龍人は、反撃をせずに魔法壁を展開して防御に徹する。
着弾によるそこそこの衝撃を覚悟していた龍人だったが、放たれた爆弾は魔法壁にぶつかる前に全て空中で破壊されて爆発する。
「あれま。」
「誰だ!?俺様の聖なる決闘を邪魔するのは!?」
「あほか。これから合宿の本番なんだから、無駄な魔力使うなって。」
クラウンの背後にラルフが現れて頭をポカリと殴った。
「俺様を叩くな変態教師!」
どうやら中位クラスでも変態で通っているらしい。流石はラルフ…どこにいっても彼のスタイルはブレないらしい。
「あのなぁ、俺の事変態変態って言うけど、お前も中々の変態だっての分かってるか?」
「うぬぬぬぬぬ…!またそんな根も葉もない話を!?」
余程ムカついたのだろう。クラウンの目はギラギラとし始めている。
「よーし!じゃあ今から夏合宿のメニューをこなしてくぞ!」
ラルフはクラウンをサラッとシカトすると、夏合宿の内容について説明を始めたのだった。




