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Colony  作者: Scherz
第二章 魔法街 闇の鱗片
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7-1-3.夏合宿1日目

 龍人は問い詰められている状況を打破する為に思考を巡らせる。トイレに行く。気が触れた振りをする。火乃花にセクハラをしてみる。色々と案は思い付くのだが、結局の所どの案を取っても最終的に捕まりそうな気がしてならなかった。


(んー、参ったなぁ。)


 龍人が無言を保ちながら悩んでいる所で、教室のドアが開いた。


「よぉみんな!おはよう!全員席につけー!これから少しだけ授業すっから。はい、火乃花とその周辺戻るー!」


 ラルフだ。いきなり現れたと思えば、すぐに動こうとしない生徒全員をそれぞれの席に強制的に空間転移させた。


「よし!耳をかっぽじって聞くんだぞ?」


 いつもより比較的元気なラルフではあるが、よく見ると右の頬が赤く染まっていた。ほんのりと手の形に見えるのは気のせいでは無い。

 それを見たクラスの全員が同じ感想を抱いていた。


(あぁ、またセクハラして叩かれたんだな。)


 …と。やや憐れみの気持ちが込められた生徒達の視線に気づく事なく(もしくは気づか無いふりをして)ラルフは話し始めた。


「いいか?俺たちの住む星、魔法街には3つの魔法学院がある。中央区を中心として、北にダーク魔法学院、東にシャイン魔法学院、南に街立魔法学院だ。この3つの魔法学院の1年生による試合が、今年の末に行われる。今日からの合宿は、それに向けた各々の強化が目的だ。」


 クラス全員がややざわめく。3つの学院による試合など、初耳の生徒が多かったのだ。因みに、この魔法学院1年生対抗試合は毎年の恒例行事で、かなり盛り上がる一大イベントの1つでもある。


「はい!うるさーい。揉むぞ脱がすぞ?」


 セクハラ発言に教室は一瞬で静かになった。


「そこでだ、各魔法学院の特徴についてだけ簡単に説しておくぞ。まずはダーク魔法学院。入学制限がある学院だな。入学条件は特殊な属性や、珍しい属性であることだ。まぁ、会って戦ってみれば分かるよ。続いて、俺たちが通ってる街立魔法学院。

言っちまえば普通の魔法学院だ。どんな属性の人でも入学が出来るぞ。まぁ、そんな感じの門戸が広い普通の魔法学院って事だな。次がシャイン魔法学院。回復、補助、光、聖などの天使からイメージ出来る属性の人しか入学出来ない学院だ。とは言っても、解釈の幅は大分広いけどな。まぁ、こんなトコだ。他の学院の特徴を知ったからどうって事は無いが、知らないよりはマシだろ。なんにせよ、今日からの合宿でどれだけ強くなれるかが重要なポイントだから頑張れよ。よーし、夏合宿に行くか!全員グラウンドに集合な。出発は1時間後だ。遅れた男子はズボンのケツの部分だけスケスケにする。女子は、そうだなぁ…下乳の部分だけスケスケな!じゃ、あとで!」


 ラルフは一方的に話し終えるとスタスタと教室を出て行った。ラルフが居なくなると同時にクラス中がガヤガヤと話しだす。


 火乃花と遼、レイラは何故かすぐに龍人の下にやってきた。火乃花が口を開く。


「さっきの話題はもういいわ。取り敢えず、話したくないのか話せないのかの事情があるんでしょ?」

「うん、まぁね。話したいのは山々なんだけど、今は難しいかな。」

「じゃぁ、しょうがないよ。高嶺君を困らせたくないし。いつか、話してね?」


 レイラの少し首を傾げてしまう辺りがやけに可愛いらしい。


「お、おう。ごめんね。」


 そんなレイラを見て少しドギマギしてしまう龍人だった。



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