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2-7-3.授業
ドアを開けて教室内にいるこれから共に生活する仲間達に元気良く挨拶をする予定だった龍人の視界に飛び込んで来たのは、銃口だった。間髪入れずに銃の引き金が引かれる。
龍人は即座に右手へ魔力を流し込み、筋力を一気に強化。その右手は高速で上に跳ね上がり銃口を下から叩いて銃線を逸らす。発射された銃弾は龍人の前髪を数本引き千切って後方に抜けていった。前髪が舞い降りていく。
そして、上に跳ね上げた右手の先に魔法陣を展開し武器を召喚する。龍人の右手に現れたのは両刃の剣。柄を力強く握りしめた龍人は、そのまま相手に向かって両刃剣を振り下ろした。
銃の持ち主は、発砲と同時に体を捻っていて、龍人の斬撃を躱す。まるで斬撃が来ると予想していたかの行動だ。
2人の距離が離れた所で龍人は声を掛けた。
「遼!ちょっと危なすぎねーか!?」
「いや、そうなんだけどさ。本気で攻撃するって話になっちゃって。」
「いや、誰とだし。」
「俺とだ。」
遼と龍人の攻防を見ていた周りのギャラリーから、1人の男が進み出て来た。その男は何故か自信に満ち溢れた顔をしていた。