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Colony  作者: Scherz
第二章 魔法街 闇の鱗片
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6-3-7.追跡

 フードの人物が手を翳した瞬間、龍人は危険を感じ即座に後方へ跳び退いていた。着地して相手を睨みつけると、龍人のいた場所には、黒い剣の様なものが現れていた。感による回避だったが、これをしていなければ…ほぼ確実に黒い剣に貫かれていただろう。


「ふん。反応だけは良いんだな。だが、それだけで逃げ切れるとは思うなよ?」


 言い終わるのと同時にフードの人物の姿が黒くなって消えてしまう。


(くそっ。能力が全然わかんねぇ。闇…にしては攻撃が違うよな。闇だったらこんな風に姿を消して奇襲ばっかしないだろうし…。…!?)


 突如、龍人は背後に気配を感じて左へ跳び退く。飛びながら体を右に捻り、先程居た場所の後方…気配を感じた場所に向けて火球を複数放った。

 カウンターのタイミングとしてはほぼ完璧だったのだが、そこには誰もいなかった。…続いて龍人の右太腿を襲う鋭い痛み。見ればフードの人物がすぐ隣に立っていた。


「ぐっ…。くそ!お前、なんなんだよ!?」

「お前にそれを伝える義務は無い。」


 フードの人物が右手を降ると、銀色の線が龍人に向かって飛ぶ。龍人は魔法壁を展開して防御するしか無かった。


 ガギギギィン!


 バラバラと魔法壁にぶつかった銀の線が地面に落ちる。それは太い鉄の針だった。


(おいおい!今の手の振り方じゃ、投げれねぇ数だぞ!?空間系の魔法で召喚したのか…?)


 龍人は魔法壁を展開しながら地面に探知型魔法陣を展開。更に重ねて防御壁を発動する魔法陣を敷く。周囲の情報が龍人に次々と流れ込んでいく。

 攻撃を防がれたフードの人物は建物の影に姿を消す。しかし、今回は探知型魔法陣のお陰で相手の位置を把握する事が出来る。フードの人物の反応は龍人と建物1つを挟み右へ移動していき…忽然と反応か消えた。


「なっ!?ほんの僅かに魔力反応があったけど、それだけで姿が消えるとかあり得ねぇ…!」


 龍人は探知型魔法陣へ魔法陣を書き加えて探知力を強化する。しかし、相手の反応は現れない。出来るのはフードの人物の反応を感知してすぐに行動する事だった。

 数秒間の沈黙。


(…きた!)


 魔力の反応が左方に現れる。龍人はそちらに向けて風の刃を飛ばすが、また空振りに終わってしまう。


キィィィン!


 突然、龍人の周囲全てから魔力反応が現れた。何かしらの攻撃が来ると、龍人は周囲を警戒するが…、


「ふん。甘いな。」


 その台詞は龍人の耳元で囁かれた。龍人は振り向きざまに防御壁と爆炎を放つ。しかし…誰もいない。



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