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Colony  作者: Scherz
第二章 魔法街 闇の鱗片
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6-3-4.追跡

 龍人は慌てて建物の影に身を潜める。魔法で気配を消す事も考えたが、隠密型の魔法は使った事が無い。下手に使って見つかってはマズイ為、迂闊に魔法を使う事は出来なかった。息を潜め、体を動かして物音を立てないように全身の神経を張りつめさせる。龍人は細心の注意を払いながら、声のする方を覗き込んだ。


 …ビンゴ。先程の怪しい男が、フードを被った人物と何か会話をしている。

 男は…懇願しているのだろうか。しきりに頭を下げている。対するフードの人物は腕を組み何かを話している。この2人の上下関係は見ての通りだと予想出来るが、話の内容は距離が遠すぎて聞き取ることが出来ない。


(これじゃぁ、何を言ってるか全然分かんないな。もう少し近づいてみるか。)


 龍人は建物を迂回し、反対側へと近づく。先程よりは近くまで来る事ができた。


「……ですよ?あっしが…頑張…のに、…しか…すか?もう…です。また…あつ…ので…」

「しつこいな。…だと…だろう?次は…で、買い…だ…今…がま…ろ。」


(んー、聞こえないな。これ以上近付いたらバレちまいそうだし。大人しく引いた方が良いかなぁ。…ん?)


 フードの人物は男から袋を取ろうとするが、男は袋を必死に掴み離さない。揉めているのは間違いが無い状況。だとすると、話題の中心はやはり男が持つ袋の中身だろう。


「いい加減にしろ!お前は、…で雇…だろ?反発…ってるのか?」

「あっしだって…が…です!」


 必死な様子の男が思い切り袋を引っ張ると、その拍子に袋の1部分が裂け、中身が零れ落ちた。


(おいおい、あれって…クリスタルだよな?なんであんなに大量に持ってるんだ?)


 龍人は本当にクリスタルに見間違いが無いか確認をしようと身を乗り出す。しかし、少し前に出した足が石を蹴ってしまう。良くあるバレてしまうパターンだが、当の本人は背中を嫌な感覚が走り巡っていた。


コンコン…


 石が転がる音が路地裏に響き、男とフードの人物の動きが止まる。

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