2-7-2.授業
「あのさ、失礼かもしんないけど、身長いくつ?150cmもなさそうだよね?」
「え、身長ですか?えっと…145cmなんです。昔からずっと小さいままで…高嶺君は背が高くていいですね。少し分けて欲しいです。」
「ちっちゃ!すげぇなぁ。あ、身長はあげられませーん!」
またまた可愛らしい仕草で答えるレイラにクラっとなりながらも、バレないようにおどける龍人であった。
そんな感じで話している内に学院の前まで到着していた2人は談笑しながら学院内へと入っていく。
街立魔法学院の校舎は学年毎に4つの校舎に分かれている。校門に対して横向きに並んでいる形だ。1年生が1番奥、4年生が1番手前だ。2年と3年の校舎の間には、入学式で使った巨大なグラウンドがある。
のんびり話しながら歩いていた龍人は、チラリと時計を見ると時間がギリギリなことに気付く。
「これってさ、教室までやけに遠くない?遅刻の危機じゃね?」
「あれ?高嶺君知らないの?校門に入ってすぐの所に転送魔法陣あるんだよ。」
レイラに言われた通りに見回してみると、確かに魔法陣があった。
(昨日の発表の時は見かけなかった気がするけど、人が多くて気づかなかったのかな。)
「ホントだ。全部で16、17、えっと、20個もあるんだね。」
「うん。各学年掛ける4で16個で、グラウンドと教師校舎を合わせて18個だよ。あとの2つは今は発動制限されてるらしくて、何処に行けるのかは誰も知らないんだって。」
「へー。レイラって詳しいね。学院に知り合いでもいるの?」
「入学案内所に書いてあったよ?ふふ。高嶺君みてないでしょ。」
「そーゆーのは面倒なので見ない主義なんです!」
楽しく話しながら教室に移動するために魔法陣に乗る2人。転送魔法陣が効力を発揮し視界が光に包まれる。
魔法陣に体が吸い込まれていくような感覚に襲われる。だが、それを感じるのも一瞬で、光が消えると目の前には教室のドアがあった。
ドアの上には1学年上位クラスと書いてある。龍人がこれから学院生活を送る事になる教室だ。
ウキウキした気持ちを抑えられず、龍人は勢いよくドアを開けた。