6-2-7.お茶会
龍人のヒラメキを聞いて遼は眉間に皺を寄せた。
「んー、特別な力とは言うけど、そういうのがあるのは聞いたことないなぁ。」
火乃花も同意見の様だ。うんうん、と頷いている。
「そうね。まぁ、特別な力っていうのが本当にあるんだとしたら、それで一気に説明が付くけどね。」
話の内容が予想外の方向に進んだのだろう。レイラは驚く様な困ったかの様な表情を浮かべている。それもそうだろう。今までレイラは自分が魔具を使わないスタイルが基本だったのだから。それが普通ではないという話になれば困惑するのも当然である。
そんなレイラを見ている内に、龍人は自分の属性も似た様な物だという事を改めて認識する。
(ぶっちゃけ言っちゃえば、俺も特別な力を持ってるんだよな。ってことは…ラルフとかが言ってた事を考えると、あんまし周りに言わない方が良さそうだな。)
龍人は、困った表情をして見つめてくるレイラに声を掛ける。
「あのさ、取り敢えず本当の事は分からないから、悩むなよ?あと、特別な力を持ってると変な組織に狙われたりしそうじゃん?だから、周りの人にはこの事は話さない方が良いと思う。いざとなったら、ラルフ辺りに相談してみなよ。」
「…ラルフねぇ。悩んでる所につけ込んで触られないように気をつけなさいよ?あの変態教師はそういう所は絶対見逃さないはずだから。」
「ふふ。火乃花さんは本当にラルフ先生の事、信用してないのね。」
微笑を浮かべたレイラに言われて、赤面する火乃花。信じてないと言われると、何故か自分が反抗期の子供の様に思えたのだ。
「ちょっ!だったらレイラはラルフの事信用してるの?」
「んー、女性関係は全然信用出来ないけど、魔法に関しては信用してるよ。」
火乃花は少し口をパクパクさせると、額を抑えて溜め息を付く。
「はぁ…そう真面目に言われると、なんか馬鹿馬鹿しくなってくるわ。」
「あ、ごめん…。」
、火乃花は、ラルフの事を悪く言うのが馬鹿馬鹿しいと言ったつもりだったのだが…レイラは自分と話す事について言っていると勘違いしてしまったらしい。火乃花に謝ると、俯き、目に涙を浮かべ始める。
レイラが勘違いをしてショックを受けているのに気付いたレイラは、同時に龍人と遼からの冷たい視線が送られている事にも気付く。焦る火乃花。
「あ…レ、レイラ…あなたの事じゃないから、勘違いしないでよね!」




