6-2-6.お茶会
火乃花の言葉に反応したのは不思議と言われたレイラ本人だ。
「え?何か不思議なことあるかな?」
レイラは本当に不思議そうに顔を少し傾ける。口をちょっと尖らせて思案顔を披露する。
(うん。やっぱ可愛い。)
龍人の心の声。
火乃花は自身の中での違和感を整理しながら話しはじめた。
「まず、魔法の種類で武器を使うのが魔具魔法じゃない?魔具魔法の特徴は、自身の属性に準じた魔具を選ぶ。になるわ。レイラはその魔具を使ってないのよ。基本的に精霊魔法、召喚魔法、魔法陣魔法、呪文魔法を使わない場合、属性魔法は魔具が必須になるわ。レイラは精霊魔法も召喚魔法も魔法陣魔法も使えないわよね?」
レイラがコクンと頷く。
「という事は、あとは呪文魔法しかないのよ。ただ、レイラが呪文を唱えてる所も見た事がないわ。」
「うん、呪文魔法は使った事ないよ。」
「そうよね…。いつも身に付けてるものが実は魔具だったってことがない限り、レイラが属性魔法を使えてる説明がつかないのよ。あ…無詠唱魔法ももちろん違うわよ。」
「んーでも、私…初めて魔法を使った時からそうだったよ。」
困り顔のレイラを含めて一同は沈黙してしまう。
火乃花の疑問は最もである。4人が街立魔法学院に入学した初期の頃、ラルフが授業で説明したものが魔法の種類だ。では、レイラが魔具を使わずに属性魔法を無詠唱で使える理由は何か。
龍人が閃いたのか口を開く。
「あのさ、俺達が知らない魔法の種類があるか、レイラが特別な力を持ってるしかなくないかな?」




