6-2-4.お茶会
龍人が気にしているのは、街立魔法学院に入学してすぐに行った属性診断についてだった。
そこで出た診断結果は真極属性【龍】。その結果と関連がある名前が武器に付いている気がするのだ。そして、今の段階で周りに本当の属性をバレる訳にはいかなかった。
属性については、ラルフが色々と調べてくれているらしいが、今の所有力な情報は得られていない。属性が周りに知られれば、その特異性から狙われる可能性がある。
特に危険なのが闇の組織だ。闇の組織の中には人を攫い、人体実験を繰り返す組織もあるらしい。そのための手段は選ばないのが特徴の1つでもあるのだ。
龍人の属性を知る事で、周りの大切な仲間が巻き込まれる可能性がある以上、それを知られるわけにはいかない。
…と言う訳で、龍人はごまかす事にした。
「んっとさ、よくよく考えてみると、ほとんど戦闘で武器を使った事が無いんだよね。大体は魔法のみだからさ。この形状だし、もしかしたら展示用の武器だっりするのかなって。」
「…龍人。展示用の武器使ってる人なんていないよ?」
呆れてしまったのか、遼はため息を付きながらコーヒーをすする。
「あ!そう言えば、中央区にどんな武器でも鑑定できる天才が居るって聞いたことあるよ。」
「あら、レイラも聞いた事あるの?私も今それを考えてたのよ。」
話は意図せず龍人にとって良くない方向に進んでいく。やんわりと躱すしかない。
「あ、いいよいいよ。そんなんに皆を付き合わせるの悪いしさ。」
「でも、中央区にいるんだし探そうよ!この後する事もないしね。」
思いついたように目を輝かせるレイラの優しさが胸に痛い。これで断ると、横で頷いている火乃花に首を絞められそうな予感がする。龍人は数秒で折れた。
「…分かった。じゃあ探しに行こう!あ…その前にさ、2人の武器についても教えてよ。」
何とかウヤムヤにする方法を考える為に出発を少しでも遅らせようと、話題を振る龍人だった。




