2-7-1.授業
「おはよー!確か一緒のクラスだよね?」
街立魔法学院に続く大通り、街魔通りを魔法学院に向けて南へ歩いている途中で龍人は突然見知らぬ女の子に声を掛けられた。覚えていないだけで話したことがあるのかも知れないと思った龍人は、当たり障りのない言葉を選びつつ普通に返事を返す。
「ん?あ、おはよ。同じクラスだっけ?わりぃ。まだ顔とか全然覚えてないんだ。」
「大丈夫だよ!あ、私はレイラ=クリストファー。よろしくね。クラス発表の時に見たなって思って声掛けちゃった。えっと、声かけておいてあれなんだけど、名前教えてもらってもいいですか?」
少し恥ずかしそうに名前を聞いてくるレイラ。知ってる顔というだけで話しかけたらしい。龍人は素直にこんな感想を持つ。
(天然か?)
とは言え、自分から名前を教えてくれたのだ。龍人も快く返事を返した。
「俺は高嶺龍人。昨日の発表では上位クラスになってたかな。えっと、レイラって呼んでいいのかな?も、上位クラス?」
「あ、レイラでいいよ。私は恥ずかしいから高嶺君って呼ぶね。で、えっと、私も上位クラスだよ。…よかったぁ。やっぱり同じ上位クラスなんだね。間違ってたら恥ずかしいなって思ったんだけど、勇気出して声掛けてみて正解だったね。」
両手を胸に当て、ほっとした様子を見せるレイラ。その頬を染めながらの行動はヤケに可愛らしい仕草で、ややクラっとなってしまう龍人。
(なんか可愛いなぁ。ちっこいし。)
レイラは背がかなり低い。周りを歩いている人達を見ても、レイラより背が小さい人は居ないと思われる位の身長だった。
龍人は失礼かも知れないと思いつつも、レイラの身長について質問をしてみる事にした。