6-1-20.お買い物
火乃花の物騒極まりない言葉に、他3人の動きが止まる。
「中央区ってそんなに怖い所だったんだね…。」
「そうよ。十分に気を付けないとね。ま、普通に買い物をするだけなら、変な事に巻き込まれたりはしないから。」
今すぐにでも南区に戻ろうかと考えていたレイラは、火乃花の言葉にほっと胸を撫で下ろした。
「誰かに襲われたらどうしようかと思っちゃった。」
「その時は俺達が守るよ。ね、龍人。」
「ん?もちろん!レイラの為なら例え火の中水の中。ってね。」
龍人は爽やかな笑顔で、何故かレイラに向かって親指を立てる。ちょっとキュンとしてしまうレイラだったり。
「龍人君、ひと昔前のヒーローみたいでかっこ悪いわよ。」
「まじか!?ヘコむわ~。」
うへぇ、と龍人は何故か遼にもたれ掛かる。火乃花にはカッコ悪く見えたのだが、レイラにとっては違うようで…。
(今のカッコ良かったと思うんだけどな…。恥ずかしいし、口に出すのはやめておこっと。)
こんな風に思っているレイラの気持ちには全く気がつかない龍人だった。
4人はその後もアレコレと話しながら、入り組んだ中央区を歩いて目当ての店を探す。




