6-1-18.お買い物
転送魔法陣による転送の光が消えて視界がクリアになる。龍人達の目の前に広がっていたのは…ゴチャゴチャした風景だった。全ての建物の大きさや向きがまばらで、道と言う道がほぼ無いような建ち方をしている。小さい子供が自由気ままに建物を置きました。…みたいなレベルだ。
「なんだこりゃ…。中央区って、もっと整然としたのをイメージしてたんだけど、すごいな。」
「ね。迷ったら帰れなさそうだね。」
龍人と遼の言葉にレイラが驚く。
「もしかして2人共…中央区に来るの初めて?」
ほけーっと、周りを見渡す龍人の代わりに遼が答える。
「うん。南区から出た事自体が始めてかな。」
「初めてなんて珍しいね。皆、一回位は行った事あるのが普通だと思ってたけど。」
はぁー。と、感心するような表情で2人を見るレイラ。というか、ど田舎者を見る様な目つきになっている。
「なぁ、なんでこんなにゴチャゴチャしてるんだ?」
龍人が火乃花に声を掛ける。魔法陣の近くの柱にもたれ掛かっていた火乃花は、周りを見渡すと柱から背を離した。
「んー、説明が少し長くなるから、歩きながら説明するので良いかしら?」
「そうだね。まずはクリスタルを売ってるMagicShop男女男女を見つけないと。」
レイラも火乃花の意見に賛成の意を示した。
4人はゴチャゴチャした街の中を歩き出し、中央区の説明を何故か火乃花ではなくレイラが始める。
この前の授業でやったところなので、その復習も兼ねるそうだ。
…因みに、龍人と遼は寝ていたので、その授業があった事すら知らなかった。




