6-1-14.お買い物
レースの結果であるが、倒れた遼の上に乗ってVサインを出しているのが龍人である事を見ると…火乃花は一歩及ばず、龍人が先に遼へ辿り着いたみたいである。龍人の勝利、辛勝。
「よし!昼ごはんよろしくなー!」
「負けるとは思わなかったわ…。はぁ、はぁ…体力、あるのね。」
火乃花はペタンと女の子座りをする。強気な彼女にしては可愛らしい座り方である。
「あの、回復魔法掛ける?」
レイラが疲れた様子の火乃花を気遣って声を掛けた。火乃花は手をヒラヒラ振る。
「いいわ、普段から魔法ばっかに頼ってたら、いざという時に動けなくなっちゃうから。」
「ふぅ。にしても、あそこからココまでのダッシュはやりすぎだよね、うちら。いやー、ホント疲れたわ!」
空を仰ぎ爽やかに余韻を感じている龍人。その下から苦しそうな声が聞こえてきたり
「あのさ、そろそろどいてくれないかな?」
「あ、何故か忘れてた!ごめんごめん!」
ワザとらしい台詞の後に龍人は遼の上から腰を上げる。ムクッと起き上がった遼は龍人と火乃花の2人に疑問をぶつけた。
「そもそも、なんで競争してたのかも謎だけど。まぁ、それはなんとなく予想できるから、いいとして…。なんで、俺がゴールみたいになったの?」
龍人と火乃花は思わず顔を見合わせる。




