6-1-11.お買い物
考え込んだ龍人を見たシェフズは龍人の肩を思い切り叩く。相変わらずの強打に龍人の体がガクンと傾くが、相変わらずシェフズにそれを気にする様子はサッパリ見られなかった。
「ま、深く気にするこたぁない!もし、何か聞いたりしたら教えてくれや!それより時間、大丈夫か?」
シェフズに言われて時計を見た龍人は、想像以上に時間が進んでいた事に愕然とした。
「やっべ…!シェフズさんまた来ます!」
「おう!中央区は迷いやすいから、気を付けろよー!」
シェフズの言葉を背中で聞きながら店を出た龍人は全力で駆け出した。待ち合わせまで後…5分。
2時間前に家を出たのに、遅刻だなんて洒落にならない。
それに今日はレイラがいるのだ。みっともない所を見せられない、見せたくない龍人であった。とは言っても、恋愛感情がある訳では無いのだが。平たく言ってしまえば、男であるが故の見栄である。
更に言えば、到着した時に息が切れているのも、ダサい。しかし遅刻も…。葛藤が龍人を蝕んでいく。
(くっそ!もうどうにもなんないし!)
そんな龍人の全力疾走。偶然にもというか、必然的にというか…これを見つけた人物がいた。




