6-1-2.お買い物
龍人が思い出していたのは2日前…土曜日の朝だ。
「ってな訳で、この土日が明けたら合宿を行うぞー。場所は入学試験をしたのと同じ島だ。」
龍人が手を挙げると、すぐに疑問を口にした。
「先生、あの島って魔法で作られた島ですよね?何処にあるんですか?」
「ん、やっぱ気づいてたか。これを言うと不安がる奴が多いから、あんま言いたくなかったんだけど、あの島は別次元にある。ま、帰って来れないとかは無いから安心しろ!」
クラスがややざわめく。魔法が当たり前のこの世界でも、別次元と聞かされて驚かない人は少ないだろう。それだけ高度な魔法なのだ。
次に火乃花が手を挙げる。
「で、痴漢教師、何か用意するものとかあるの?」
「相変わらず、俺だけに厳しいのな。タメ口だし、呼び方酷いし。そんなんじゃ彼氏出来ないぞ?」
「質問に答えて下さい。」
殺気の籠った眼でラルフを睨み、淡々と返す火乃花。ここで何故かバルクが声を上げた。
「ラルフ!お前さ、もう火乃花にした事を忘れたのか!?観客の前で、ぜ…」
ズガァァン!
バルクの居た所から火柱が上がる。犯人は火乃花なのは間違いないが、本人はしれっとした顔でもう一度。
「で、痴漢教師。用意しなきゃいけないものは?」




