5-4-11.対人戦トーナメント決勝
竜巻上空に再び吹き飛ばされたスイ。手元に愛刀はなく、既にリングの端に突き刺さっている。この状況はスイにとってかなりマズい状況だった。
常に日本刀を使ってきたスイは、素手や魔法のみで戦うのは苦手分野だった。しかし、この状況で残された選択肢は少ない。
日本刀を取りに行く…恐らく、その道程で竜巻の炎に巻き込まれるであろう。
逃げる。…何処に?逃れてもすぐに竜巻に絡め取られるだけだろう。
魔法を使って炎の竜巻を吹き飛ばす。…確かに可能ではあるが、魔具魔法を主体とするスイにとって愛刀…魔具を持っていない状況ではどうしても不安が残る。
突っ込む。…男気溢れる。
(我は負けぬ…。我は男だ。我は武士として生きると決めているのだ。ここで逃げるなどあり得ぬ。)
スイは武士である。…正確には、武士の心に憧れている。武士こそが男の鏡だと信じている。そんな彼にとって、逃げるという選択肢はあり得なかった。逃げて死ぬのなら誇り高く戦って命を散らすのみ。その程度の覚悟は当然の如く持ち合わせている。
ではどうするか。まぁ、突っ込むしか無いだろう。スイは覚悟を決める。
…武士としてのスイ=ヒョウを貫く為に。




