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5-4-9.対人戦トーナメント決勝
「ちょっと…どこ見てるのよ!?ラルフはしょうがないにしても、客の男もだし…スイ!あんたもよ!この変態!」
攻撃しようと氷から出たスイは、ビクッと動きを止めてしまう。攻撃を当てる絶好のチャンスであるのにも関わらず。…変態呼ばわりがそんなにショックか。
その分かり易すぎる反応に火乃花の怒りが更に爆発した。
「もう、全部ぶっこわす!」
火乃花が右手を上に上げると炎の竜巻が出現し、周囲の氷板を破壊する。その威力と範囲は拡大していき、観客席とリングの間に張られている魔法壁をも壊そうと猛威をふるう。
変態のレッテルが貼られたスイは炎の竜巻に引き込まれ、弄ばれながら上空へと飛ばされていく。竜巻内に発生している炎の刃がスイを傷つけていく。そして、変態の事は置いておき、試合の事に頭を切り替えていた。
「くっ、このままでは負ける。ならば…。」
スイは水属性を付与した魔法壁を周りに展開。炎の竜巻の中心へ突っ込んでいった。
 
 




