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Colony  作者: Scherz
第一章 魔法街 始まる者達
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2-6-4.クラス発表

 火乃花を置き去りにした龍人と遼が校門前に到着すると、クラス発表を見に来た大勢の人々でごった返していた。

 新入生はもちろん、部活に勧誘するために看板を持った上級生も沢山おり、大声で叫んでいる。


「萌えを忘れたら男じゃない!萌えの心を思い出し、理解するのだ!」

「筋肉は男の美学だ!女の美学だ!肉体美の追求こそ人類の課題である!筋肉を求めるのだ!我々の求める先に力がある!」

「えー、私達と一緒に世界の歴史を紐解きませんか?この世界の謎を秘密を解き明かすのです。」

「ライブだ!音楽だ!リズムだ!ひゃっほーう!」


 もはや、新入生より多いのではないか。と思うほどの上級生が大声を張り上げて、近くを通った新入生を捕まえ、入部させようと躍起になっていた。

 入学式のときに目立っていた部活の人々もいるので、初日よりはインパクトが無いが。

 この光景を見て、龍人は思う事があった。


「なんかさ、魔法学院のイメージが全然違うんだよなぁ。」

「龍人もそう思う?俺ももっと厳格な雰囲気だと思ってたよ。」


 どうやら2人とも同じ感想を抱いていたらしく、顔を見合わせると肩を竦め合う。どこの洋画ドラマだ!というツッコミはしないでおこう。

 そんな感じで龍人と遼が話しながらクラス発表を待っていると、遅れて火乃花がやってくる。

 部活やら同好会やらの勧誘の人々が美人で巨乳の火乃花を見つけるなり一気に押し寄せてくるが、火乃花を守るようにして現れた細長い焔を見て動きを止めた。

 いきなりの魔法行使に周りの注目が集まる中、平然とした顔で龍人と遼の近くに来た火乃花は焔を収める。


「火乃花…。部活の勧誘が面倒くさいのは分かるけど、魔法を使う必要は無いんじゃないか?」

「うん。俺もそんな気はするかも。」

「あら。クラス発表なのにあそこまで騒いでいて、迷惑じゃない。それに、あのまま殺到されたら私が怪我をするわ。正当防衛だと思うわ。」

「そ、そっか。」

「うん。俺も火乃花の意見に賛成かな。」


 全く悪びれも無い火乃花の態度に押される龍人と、意見を翻して賛成する遼。情けないぞ男たち。

 そんな2人を見て軽く息を吐いた火乃花は後者がある方を指し示した。


「ねぇ、2人とも。教師みたいな人がこっちに向かってるわよ多分クラス発表をする人じゃないかしら。」

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