5-4-2.対人戦トーナメント決勝
「さぁ!グラマラス火乃花に向かうのは、スイ=ヒョウだ。私服が着流しってゆー中々の個性派だな。黒を貴重とした中に青のラインを入れてるのが、さりげないポイントだぞ!そんでもって、時代感がズレてる『我』の一人称、無口な所がコアな女子に人気らしい。まー、俺にはサッパリ分からないが。でな、最近少し表情が柔らかくなったんだ。俺の予想は恋をしたんじゃないかと思うんだが、どうだスイ!?」
スイの紹介は気付けば晒し者&質問コーナーに変わっていた。流石はラルフ。
そして、恋について聞かれたスイはピクリと眉を動かす。…が、そのまま眼を閉じると、銅像の様に動かなくなった。
「はい!シカトされましたっと。ま、こんな大衆の前で暴露する奴は居ないか。じゃー、そろそろ始めようか。」
クスクスとした笑い声に包まれていた観客はラルフの言葉を聞いてシン…と静まり返る。それだけ、観客がこの戦いを楽しみにしていたという事であろう。
「じゃあ、決勝戦行きますか!2人とも準備はいいか?エロティックダイナマイトボディ火乃花と、桃色初恋発情中スイのバトルスタートだ!」
会場内に再びクスクス笑いが少し大きめに響き、続いて大歓声が沸き起こる。
1年生上位クラスによる、対人戦トーナメント決勝戦の幕開けである。




