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5-3-17.対人戦トーナメント準決勝
スイは火乃花の怒気を孕んだ声にピクっと肩を動かして反応し、火乃花へと顔を向けた。
…気のせいだろうか。少し気まずそうな顔をしているのは。
「………。」
また無言である。しかし、一度言ったからには引かない…引くつもりが無いのが火乃花である。
「で?なんかあるんでしょ。言いなさいよ。」
スイは一度視線を逸らし、真っ直ぐ虚空を見つめる。そして軽く深呼吸をすると、口を開いた。
「実は…。」
「いえーい!みんなー!!!待たせたな!遂に、遂に遂に決勝戦だ!さてさてさてさて!決勝戦で戦う2人を紹介するぞー!まずは火乃花かもぉーん!!」
流石と言っていいのかは分からないが、ラルフらしくナイスタイミングである。見事に話をぶった切って決勝戦を始めようとしている。
天性の勘
という事にしておこう。…いや、少し違うか。
「あの変態教師…!しょうがないわね。」
火乃花は口を開いたまま固まったスイを訝しげな目で見ると、一足先にリングへ足を運ぶ。




