表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DARLING !  作者: non
23/38

第22話 I can't reach you -April-



 夜、ベッドの中で目を瞑ると、いつもあの方の姿を思い浮かべてしまいます。


 美しく甘い目元、眉の形、髪の毛の一筋まで、想像するだけでこんなにも胸が高鳴るのは貴方にだけ。


 それなのに瞼を開けた途端、目の前に広がっているのは虚しい現実。

 どんなにわたくしが手をのばしても、貴方が応えてくれることは永遠にないのでしょうか?

 














「レイリー卿、ついにご結婚ですって」

「お相手は成り上がりの商家の娘だとか」

「二十も年下なんですってよ」

「まあ~っ」



 お母様が主催したお茶会。

 菓子と紅茶を手に、淑女たちの会話は止まりません。

 

 サロンに集った若い娘たちといえば、もっぱら恋の噂や殿方の値踏み。それだけで話題には事欠きません。



「ふう……」

 しかし今日のわたくしはその輪の外で、何度目かのため息を漏らしました。

 今のわたくしはそれどころではないのです。




「ところで、侯爵家のエドワード様の噂、知っております?」


 何気なく聞こえてきた恋する人の名前。わたくしの耳がピクリと反応します。

 

 これまで浮いた話ひとつ聞いたことがなかっただけにこれは気になります!




「実はね、1年ほど前に婚約を交わしていたんですって」



 ―――え……婚約……?



 わたくしは自分の耳を疑いました。



「それは本当ですの?」

「ええ、確かな情報ですわ。お相手は幼馴染だとか」

「はあ、ついにエドワード様も結婚……残念ですわ~」



 わたくしは血の気が引く思いでした。

 手のひらが汗で滲んで、目頭が熱くなってきます。



 エドワード様が婚約していた。


 

 そんなの所詮は噂だと、なぜ笑い飛ばすことができなかったのでしょう。


 なぜなら、もしそれが真であるなら、色々なことに説明がつくからです。


 どうして最近、エドワード様がわたくしをあまり見なくなったのかとか―――。




 馬鹿みたいですね。

 

 もし婚約者の方がいらっしゃるなら、わたくしはただの迷惑な娘。

 勝手にエドワード様に付きまとったりなんかして……。でもエドワード様はお優しいから、そんなわたくしとお友達にまでなってくださった。


 エドワード様を愛する気持ちが、結局エドワード様を困らせてしまっていたのかもしれない。


 

 わたくしは、これからどうすれば良いの……?


 この恋を今更あきらめるなんて、できるのでしょうか。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ