第15話 Your permission -Chris-
生きる屍って、こういうことを言うんだな。
俺の従弟であるステファンは、例のメリル・ホーキンスが立ち去った後、茫然自失の抜け殻状態のまま部屋の天井を仰ぎ見ていた。ただひたすらに生気のない目がとてつもなく痛々しい。
「……これが代償なんだな」
「兄さんゴメン……メリルさんを無理に連れてきたのは僕なんだ」
「いいんだフランシス。もともとゲームのつもりだったのは事実だし、全て私が悪いんだよ……ハハハッ、惨めなもんだな」
傍らで座る弟のフランシスも罪悪感にさいなまれているようだが、俺に言わせれば嘘なんて隠し通せないんだし、返って良かったじゃん? ってことだ。
だいたいこの男は、“ゲーム”だなんて建前のくせに、なんでその事に気付かないんだ?
本気で彼女に惚れてるくせにさ。
あーもう、このウジウジ野郎にはもう我慢できないぜ。
「あのさ、お前あの娘を愛してるんだろう」
「……は?」
おい、なんだその呆けた顔は。
もしかして、やっぱり無自覚だったのか……プレイボーイの看板は今日限りで降ろしてもらおうじゃないか。
「お前は彼女のことを傷つけた。でもお前はメリル・ホーキンスのことを愛してる」
「……」
「どうやって赦しを乞うのか、お前は夜会までにそれだけ考えてろ」
あとは俺が何とかしよう。
このお馬鹿さんの従弟のために。




