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神田直樹、出ます  〜その票ください〜  作者: 双鶴


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6/10

町長選、告示されるってよ

選挙告示日。

町の掲示板に、3枚のポスターが並んだ。


①田所誠司:満面の笑み、背景はコンビニの冷蔵庫。

②三輪律子:真顔、背景は黒板に「町を正しく導く」とチョーク書き。

③神田直樹:微笑、背景は喫茶店の窓。ネルドリップ中。


トリビア①:「選挙ポスターの掲示板番号は“くじ引き”で決まる。運も実力のうち」

トリビア②:「ポスターのサイズは“縦42cm×横30cm”。A3よりちょっと大きい」


町民たちは言った。

「神田さん、なんか落ち着く」

「田所さん、冷蔵庫の前って斬新」

「三輪さん、怖い」


---


田所は、選挙カーを出した。

軽バンにスピーカーを積み、「町を眠らせない男、田所誠司です!」と連呼。

助手席には誰も乗っていない。なぜなら——


トリビア③:「選挙カーの助手席には、候補者本人しか乗れない。ウグイス嬢は後部座席」


田所は、助手席に自分の等身大パネルを置いた。

「これで実質、俺が乗ってる!」と主張。

町民の反応:「怖い」「夜に見ると泣く」


---


三輪は、町内読書週間を開始。

「町の未来は、読書から」

公園に机を並べ、町民に本を配る。ラインナップは——


• 『町政の基礎』

• 『地方自治法入門』

• 『選挙と倫理』



町民の反応:「重い」「読書って、もっと楽しいやつじゃない?」


トリビア④:「選挙運動中、物品の“無料配布”は禁止。ただし“貸し出し”はOK」

トリビア⑤:「選挙期間中、握手はOK。でも“お菓子付き”はNG」


三輪は、読書後に飴を配ってしまい、町内会から注意を受けた。

「飴は“思想誘導”になる可能性があります」と言われ、ショックを受ける。


---


神田は、街頭演説を始めた。

場所は喫茶店の前。

演説というより、コーヒーを淹れながら語るスタイル。


「町長選って、供託金50万円かかるんですよ。

落ちたら、没収。

つまり、町長選って、ちょっと高いガチャです」


トリビア⑥:「町長選の供託金は50万円。得票率が一定以下だと没収される」

トリビア⑦:「選挙運動は“午前8時〜午後8時”まで。時間外はNG」


神田は、午後7時59分に「ネルドリップ演説」を終えた。

町民たちは言った。

「この人、時間も守るし、豆も守る」


---


こうして、選挙戦は“静けさ vs 熱血 vs 教育”の三つ巴へ。

町民たちは、ポスターの前で悩んだ。

「誰に入れようか……」

「いや、誰に“淹れてもらおうか”かもな」


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