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白の英雄譚  作者: 東の店
1/6

空っぽの身体

春頃に修正します

もう一度しっかりプロットをつくります


「なあ課題みしてくんね?」


 中学校に入学して三ヶ月。

 初めてクラスメイトに話しかけられた。


 話しかけてくれた人の名前はまだわからないけど、クラスでも明るくて人気者の人だった。


 急に話しかけられて、嬉しさと焦りで、ちょっとだけ時が止まったみたいに感じた。


 僕は食い気味でも、無理矢理に声を出した。


「あうん。いいよ」


 中学ではじめて話しかけてくれた、やったー!

 これを機に友達になれるかな?


 この機会を逃したら、次はいつになるかわからない。

 とりあえず、会話する準備をすることにした。


 えっとまず、話の振り方を気をつけたらいいんだっけ?


 話題は自分語りにならず、相手に寄り添わないといけないってネットで書いてあったけど、相手がなに好きかわかんないし…。

 

 あ、そうだ。返しに来てかれた時に聞けばいいんだ!

 よし、頑張るぞ。


 まだ友達にもなっていないのに、初めての友達ができるかもしれないってだけで、なんだか嬉しかった。

 

 周りは騒がしいはずなのに何も聞こえてはこなかった。


 この機会を逃したら次があるかわからない。

 だから、頭の中で返しに来てくれた時のことを、何度もシミュレーションして練習した。


 何度も何度もした。

 そわそわしてるのが顔に出そうになったりしても、我慢して僕は待った。


 まだかな?そろそろかな?

 緊張するな。いけるかな?あ!きた!


「これ、あんがとなー」


 その人は軽いお礼だけを吐き捨てるみたいに言って、そのまま元いた所に戻っていこうとした。

 だから、話しかける暇さえなかった。


 あ、待って!


「あの!さ」


 戻っていくその人を、僕は久々に出したレベルの声で後ろから無理やりにでも呼び止めた。


 するとその人は不思議そうにしてたけど、止まって振り返ってくれた。


「なに?」


「…」


 止めたはいいものの、さっきまで頭の中で練習していたことは、真っ白になって消えていった。


 それでも、なんとか自分に落ち着けと言い聞かせて、話題を振ることにした。


 がんばれ、うん。頑張れ!


「普段とかなにしてるの?」


「普段?遊びに行ったりしてるかな」


「そうなんだ…」


 どうしよ…どうやって会話続ければいいんだ?


 えっと、遊びに行ってるってことは…


「どこ遊びに行ったりするの?」


「カラオケとかかな。まあとりあえずありがとな」


 頑張って絞り出した会話のボールは、一度のキャッチボールで終わってしまった。


「あ……」


 …うん。次頑張ろう。


 ちょっと、キョドリすぎたな。でも次からちゃんと改善していけば、いつかできるよな。


 心の中で反省会をしていると、少し離れた所から笑い声と一緒に、自分のことを話している声が聞こえてきた。


 ただ、それは僕にとって一ミリも嬉しくはなかった。


「なあなあさっきさー、いきなり普段なにしてるの?とか聞いてきたんだけど」


「マジで?インキャ君陽キャデビュー?キツイって。勘違いインキャは」


「なあーきっしょ!」


 聞こえてるんだけどな。


 確かに、僕も上手くは話せてなかったけど…そんなに言わなくてもさ。


 まあ、僕が悪かったな…うん。




「あの、これお願いしてもいい?」


 前に話しかけられてから二度目の機会だった。前の人じゃないけど、優しそうな女の子だ。


 体育の片付けを一緒にして欲しいらしい。


 片付けってことは、かなり話すタイミングは多いはず。なにより断る理由もなかったので手伝うことにした。


「うん。いいよ」


「ありがとーそれじゃあねー」


「あのっ、あ…」


 手伝って欲しいわけではなかったらしい。


 これは僕が勝手に勘違いしただけだ。仕方ない…。



 色々と失敗して、なんで友達ができないか、自分なりに色々と考えることにした。


 会話さえできたらと思っていたけど、そもそも、僕は自分から話しかけたことがなかった。


 だから、今度は自分から話しかけることにした。


「あのさ!課題見せてくれない?」


 話しかけれた!ここから頑張るぞー。


「え、いいよ、はい。それでさー」


「ありがとう。…」


 会話はできず、ただ課題を渡されただけで終わってしまった。今回も話題を振ることさえも無理だった。


…とりあえず課題やろう。


 そうだよ、返す時にもう一回話しかけてみれば!


 課題を早々に終わらせて、次は相手が1人でいる時に話しかけることにした。


 1対1なら少しは話せるかも…。


「あの、これありがとう」


「全然いいよ。それじゃあなー」


 また同じ……。


 ううん!次だ次!




「班作って課題やれよー」


 次は、班行動の時に自分から案を出して、皆んなと関わることにした。


 案を出したら、僕でも少しは会話の中心に近づけるかもと思ったからだ。


「これどうかな!」


 よし!まず最初に話せた。これで!


「お!いいじゃん。じゃああとよろしくー」


「てかさー」


 え…?


 今回は班行動だった。


 だから、半ば強制的に話せる機会があるはずなのに…、僕とは話したくないってことなのかな…。


「いいの?1人でやらして?」


「え?いいっしょ別に。あいつなんでも聞いてくれるれて優しいから」


 優しい?。ほんとうに?


「ほら、えーとあれ?誰だっけ?名前わかんね」


「ちょっと聞こえてるよー」


 目の前にいるのに、笑い者にされた。


 僕は、こいつらにとって都合の良いように使えるだけの人でしかなかった。


 ああ、わかった。僕は別に悪くなかったんだ。


 こいつらが悪かったんだ。


 こいつらがゴミなだけだったんだ。


 

 だから、僕はもう誰かと話すなんてしょうもないことはやめた。ゴミな奴らと友達になるなんて無駄だからだ。


 何より自分には絵があった。


 馬鹿にしてきた奴らは友達とかしかいないけど、僕には誰にも負けない絵があった。


 だから、あんなゴミとは違う。





「芸大に落ちたなら、滑り止め私立に行くんだぞ。元々そいう約束だ。父さん、浪人は許さんからな」


「うん」


 僕は高校には普通に進学したが、大学は芸大に進学しようとしていた。自分の絵に自信はあったし、落ちるなんてないと思ってた。


 なんでだよ…。


「そんな落ち込まなくてもさあ、これからチャンスはあるよ。ほら大会とかでさ」


 横から母が励ましてくれている。


 母の、今にも泣き出しそうな顔を見ていると、正直腹が立ってきた。


「うん……」


「とにかくこれで話は終わりだ」


 父がそう言って話を終わらせた。


 まあ、別にいい。


 僕の絵なら芸大なんて行かなくても、コンクールに出せば余裕だよ。


 芸大なんてゴミだ。


 僕は大学に通いながらコンクールに応募することにした。一回で無理でも、二回目ぐらいで僕ならいけると思っていた。



「君の絵ね、才能ないよ。もうやめた方がいいよ。

そろそろ君3回目ででしょ?応募してくれて。

まだ大学生で若いんだしさ。他の道でーーーー」


 俺の絵はすごいんだ…。


 そうだよ…


 お前らがゴミなだけだ!


 センスもないくせに評価なんてしてきやがって!


 ……クソ。



 学生生活でわかったことは、

 俺以外の人間は、全員ゴミってこと。

 だから友達なんかいらないってこと。

 あんなのは、ただの弱者どもの群れってことだ。

 死んじまえ。ゴミが、ゴミどもが。


 ……なんでだよ。






 







最後まで読んでくださりありがとうございます!

よければブクマ、感想をしてくださると嬉しいです!

文章が読みづらいなどがあれば、是非教えてください。

文章には自信がないので。

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