第05話 初めてのダンジョン探索 後編
「よし戻ってきたな?お前たちで最後だ。」
あたりを見回すと俺たち以外の生徒が全員揃っていた。俺たちが最後なのはギリギリまで狩っていたからか。
「時間は1時間と言ったよな?今どれくらい経ったかわかるか?」
「えっ?1時間じゃないんですか?」
「お前たちはこれが何時に見えるんだ?」
そう言って先生は俺たち2人にストップウォッチを見せてきた。
1時間15分で止まっていた。
「これはお前たちが戻ってきた時に止めたものだ。言ったよな?時間を超えたら罰があると。お前たちがこのダンジョンで得たドロップ品は全て没収だ!」
やらかした!大丈夫だと思っていたが少し過ぎてしまっていたらしい。それにしてもドロップ品全て没収か。悲しいなぁ。
「……嘘ですよね…先生?」
「……冗談っすよね?……先生?」
先生はニヤッと笑った。
「いや、冗談ではないぞ?没収だ。そもそも遅れたのが悪いし、ダンジョンのしばらく利用禁止にならないだけでもありがたいと思え!」
チクショウ冗談じゃなかったのかよ!
「ほらドロップ品を全てこの袋の中に入れろ。」
そう言って先生は少し小さな袋を渡してきた。
俺たちは渋々ドロップ品を袋の中に詰め込んでいく。
…………ん?なんか見た目よりもずっと入るぞ?なんだこれ?
「あぁそう、言い忘れてたがこの袋はマジックアイテムでな見た目よりも中身が入るんだ。まぁ俗に言うアイテムバックだな。」
これが噂に聞くアイテムバックか、便利だな。俺も欲しい。
そんなこんなで俺たちはドロップ品を全て袋の中にしまい終えた。
「これで全部入れ終わりましたよ。」
はぁせっかく手に入れたのに勿体無いなぁ。
「おっ全部入れ終わったか。じゃあみんな教室戻っていいぞー。」
はぁ全部なくなってしまった。やらかしたなぁ。
………教室に戻るか。
「神田、教室戻ろうぜ。」
「そうだな戻るか。」
俺たちは教室へと戻って行った。
教室へと戻り俺たちは自分の席に座る。
先生が来るまで他愛のない話をすること十数分。
先生が戻ってきた。
「よし、全員いるな?これで今日の授業は終わりになるがどうだった?初めてのダンジョン探索は。
ドキドキワクワクしただろ?でも浮かれてばかりいるんじゃないぞ?探索する時には気をつけて探索するように。わかったか?」
『はーい』
生徒全員が返事をする。
「わかればそれでいい。ではこれで今日の授業を終わりとする。皆気をつけて帰るように。」
「あっ悪い一つ言い忘れてた。さっきの授業で配ったバットはお前たちにやるからしばらく自分の武器が手に入るまでそれ使ってけ。それと個人でダンジョン探索しに行くのは構わないが自己責任で行くように。これで以上だ気をつけて帰るように。」
いや、一つって言ってのに二つ言ってるじゃん。
それにしてもダンジョン探索か明日は土曜で休みだし行ってみるのもいいかもなぁ。
俺はそんなことを考えながら帰路についたのであった。