第02話 自己紹介そして冒険者登録
「おはようございまーす。」
そんな挨拶と共に教室の中へと入る。自分で最後みたいだ全員の視線が自分へと向けられる。ちょっと恥ずかしい。そんなことを思いながら一つだけ空いている自分の席へと腰をかける。
少し待った後、
「いや〜ごめんごめん。少し遅くなった〜。」
自分の担任だと思われる先生が教室に入ってきた。
「どうもみなさん初めまして。担任の中野葵だ。よろしくな」
「何か質問はあるか?今なら答えてやるぞ?」
かなりノリの良い先生だな。
「はい!先生に彼氏はいますか?」
かなり定番の質問を俺の前にあるやつが問いかける。
「お〜、かなり定番の質問がきたな。」
先生もおんなじこと思ってたのか。
「質問の答えだが、彼氏はいない!彼氏募集中だ!」
「そうなんすか!じゃあ自分先生の彼氏に立候補していいですか!」
クスクスと笑いが起こる。
「アホ。10年早いわ。」
先生はそんな質問を一蹴する。
「え〜そんな〜」
そう言い落ち込んだ様子で自分の席に座る。クラス内は笑いに包まれた。
「ほら、お前ら笑うのはそこまでにしとけよー。今から自己紹介やってもらうからな〜。」
先生はそういい生徒に自己紹介をさせていく。前のやつがどんどん自己紹介をしていく。
「初めまして。夕凪澪です。これから三年間よろしくお願いします。」
今気づいたが俺のクラスには首席がいたみたいだ。
さっきの新入生代表挨拶の時もそうだが人とあまり話そうとしないみたいだ。
次はさっき先生に振られた奴か。
「はい!どーもさっき先生に振られて失恋中!彼女募集中の神田悠木でーす。」
そんなおかしな感じでさっき先生に振られた奴が自己紹介する。そうかあいつ神田って言うのか。
そんなこんなで自分の番が回ってきた。
「どうも、初めまして天喰朔です。よろしく。」
少し固くなってしまったが大丈夫だろ。自分の番が終わり自己紹介が終わるのも待つこと数分、全員の自己紹介が終わった。
「よーし、自己紹介は終わったな。早速だが冒険者登録しに行くぞ〜。着いてこいよー。」
ついに来たか。お待ちかねの冒険者登録。そんなことを思い先生について行く。着いたのは真ん中にちっちゃい女神像が置かれ奥の方に扉が一つあるだけの部屋だった。
「この女神像はダンジョン内にあるでっかい方の像の子機みたいなもんでな、ダンジョンに入らなくてもカードを作ることができるんだ。よしカードを作るぞ。お前たち順番に並んで触っていけ〜。カードが出たら奥の扉の中に入って冒険者登録やってこい。」
あれに触るだけでカードができるのか、わざわざカードを作らにダンジョンに入らなくてもいいし便利だな。
「次、天喰こっちに来い。」
こんなことを考えてると、自分の番が来たようだ。
「女神像に触れてみろ。」
俺は言われた通りに女神像に触れてみる。
すると魔法陣が浮かび上がりカードがその中から現れた。
「よし、カードができたな。奥の部屋に行って登録してこい。」
俺はカードを待ち、言われるがまま奥の部屋へと入っていった。
奥の部屋は色は女神像の部屋と同じだが中には机が一つと男が一人いた。
「こちらの書類に目を通し、記入欄に名前をお書きください。そして名前を書いたのちカードに血を一滴垂らしてください。」
「なぜカードに血を垂らすのですか?」
俺はそんなことを問いかけてみる。
「そのカードはできたばかりでして名前しか書かれておりません。状態としては仮登録と言う形になります。なのでそのカードに血を垂らすことによりレベルやスキルなどが表示される本登録ができるようになるのです。」
「なるほどありがとうございます。」
俺はそんな感謝の言葉を口にしてから書類に目を通すことにした。内容はダンジョン内に入ることについてのルールやマナーについて、それと冒険者協会に登録することでできるようになることなどが書かれていた。俺はそれを読み終えたのち名前を書いた。
「書けました。」
「ありがとうございます。これで冒険者登録ができました。それではカードに血を垂らしてください。俺は指を切りカードに血を垂らした。するとカードに文字が現れた。
「それがあなただけのカードとなります。なくさないようお気をつけください。
それでは登録はこれで終わりになりますので自分のクラスに戻って先生の指示をお待ちください。」
俺は言われたまま自分のクラスに戻った。
クラスにつき自分の席に座る。まだ先生はこなさそうだな。自分のステータスカードを確認していなかったので確認することにした。
所有者 天喰朔
レベル1
体力19
攻撃力21
防御力16
魔力18
スキル
鑑定、筋力増強
二つスキルがあるのか!普通スキルは一つでもあればいいものだが複数自分は持っている。しかも片方はレアスキルである鑑定、もう片方は無難に使いやすい筋力増強これは嬉しすぎる。ダンジョン探索においてかなり他との差をつけることができた。
そんなこんなで内心喜んでいると先生が帰ってきた。
「よし、お前たち自分のステータスカードは確認したな?早速だがダンジョンに潜ってもらう。学校が持っているダンジョンだが、モンスターはスライムなどの雑魚しか出ない。安心はできるが油断をしていると痛い目を見るから気をつけるように。
特に神田、調子に乗ってハメを外さないようにな。」
「そこで俺っすか!?」
神田は驚いたように自分を指さした。
周りからは笑いが起こる。どうやらこいつはもう自分の立ち位置を獲得したようだ。
「今から行くから着いてこいよ?持ち物は何もいらないからな〜。」
先生はそう言い教室から出た。
俺たちも先生の後に続き教室から出る。