第01話 冒険者学校入学
チリリリリリ
「ふわぁ〜」
俺は目覚まし時計に手を伸ばし時間を確認しようとする。
「やばい!もう8時だ」
急いで準備しないと学校の入学式に遅れる。
俺は急いで学校へと行く用意をする。
「やべ、忘れてた。」
急ぎすぎるあまり日課を忘れてしまうところだった。俺は仏壇の方に行き手を合わした。
「それじゃあ父さん、母さん学校に行ってくるよ。」
俺の両親は一年前に事故で亡くなっている。それ以来こうして毎朝手を合わせるのが日課になっている。
「それじゃあ行ってきまーす。」
俺は誰もいない家に向かって出発の挨拶をして家を出た。現在の時刻は8時10分、学校の入学式は30分から始まる。
「まぁ急いだらなんとかなるだろ。」
俺は自転車に乗りペダルを漕ぎ出した。
「ふ〜、なんとか間に合った。」
現在の時刻は8時27分ギリギリ間に合った形である。俺は受付の人の案内に従い自分の席についた。
席につき少し待っていると入学式が始まった。ぼけーっと見ているとなんだか偉そうな白髪のおっさんが出てきた。
「新入生のみなさんどうも初めまして。校長の五十嵐です。みなさんこの学校では冒険者について学んでもらいます。ダンジョン内でのマナーまたはルール、戦い方など様々なことを学ぶことになるでしょう。ここにいる生徒たちは共に高め合う仲間にもライバルにもなります。各々負けぬように頑張ってください。
これで校長からの挨拶を終わります。」
校長は言い終えると壇上から降り自分の先へと戻って行った。
「次に新入生代表挨拶代表の方は壇上に上がりください。」
「はい。」
そんな返事が聞こえてきた。聞こえてきた方を向くと黒髪の可愛いらしい少女が立っていた。スタスタと少女が壇上に上がっていく。
「皆さん初めまして新入生代表の夕凪澪と申します。みなさん三年間の高校生活ともに高め合い楽しんでいきましょう。それでは失礼します、ありがとうございました。」
そんな短い挨拶と共に澪は自分の席へと戻る。
「それではこれで入学式を終わります。各自もらった番号の教室へと移動してください。」
俺は自分の番号を確認する。
「えっと?Aの19か。」
自分のクラスはAクラスか。Aクラスはどこにあるんだ?
「すいません。一年のAクラスってどこですか?」
俺は学校に来た時に案内してもらった案内人に聞いてみる。
「一年のAクラスですね。3階に上がってもらって階段から見て右に進んでもらったらありますよ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
俺は感謝を案内人に伝えると自分のクラスへと向かった。
自分のクラスについた。この扉を開ければ自分の高校生活もスタートか楽しみだ。
俺はそんなことを思いながら扉に手をかけた。