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第7章 迫り来る真実

洞窟からの救出劇を終えた陽太は、村上とその仲間たちが捕まったことで、ひとまず安心できる状況にあった。しかし、陽太の胸中にはどうしても晴れない違和感が残っていた。事件は終わったかに見えたが、どこか釈然としない。


警察は村上らの逮捕に動き出し、村中は次第に落ち着きを取り戻していく。しかし、陽太にはどうしても腑に落ちない部分があった。それは、洞窟の奥深くにあったあの石像と、村上が最後に口にした「まだ終わっていない」という言葉だった。


「何かが、まだ隠されている…」


陽太は頭の中で整理しながら、自分なりに事件の全体像を捉えようとしていた。洞窟での出来事が引き金となって、彼の中で一つの疑念が大きく膨らんでいく。村上が行っていた儀式、それ自体が単なる迷信や狂信的な行動に見えたかもしれないが、陽太はそう簡単に片付けられるものではないと感じていた。


数日後、村の神社にて


事件後、村の神社ではこれまでにないほどの人々が参拝に訪れるようになっていた。村人たちは、子供たちの無事を祈るため、または村の平和を取り戻そうと願うために足を運んでいた。しかし、陽太はその神社に何か他の目的があると睨んでいた。


「この神社…あの洞窟と何か繋がっているんじゃないか?」


陽太は神社の周囲をじっくり観察していた。石畳の参道、鳥居、そしてその奥にそびえる拝殿。それらは一見して普通の神社に見えたが、彼の目には異質な何かが感じられた。あの洞窟で見た石像と、この神社にはどこか共通点がある。


陽太は、神社の裏手に回り、注意深く周囲を調べた。すると、かすかに朽ち果てた石碑が目に入った。それは村の歴史を語るものだった。


古びた石碑の謎


「この石碑…何か関係があるはずだ」


陽太は石碑をじっくりと読んでみた。そこには、かつてこの村で行われていた古い儀式や風習について書かれていた。その内容は、村人たちが定期的に「生け贄」を捧げることで、村を守る存在に祈りを捧げていたというものであった。


「まさか…村上たちはそれを再現しようとしていたのか?」


陽太の心は急速に冷えた。村上らが行おうとしていた儀式は、単なる狂気ではなく、村に古くから伝わる呪術的なものだったのかもしれない。そして、その儀式を復活させることで、村を何か大きな力から守ろうとしていた。


翔太との再会


その時、後ろから陽太に声をかける者がいた。


「陽太くん、こんなところで何してるの?」


翔太だった。彼は、最近の事件に対しても敏感になっているようで、不安げな表情をしていた。


「翔太…実は、あの洞窟で見たものが気になっていて…この神社に何か繋がりがあると思ってるんだ」


翔太は驚いた顔をしながらも、陽太の言葉に耳を傾けた。彼もまた、この村で何か大きな力が働いていると感じていたのかもしれない。


「それで、何かわかった?」


陽太は頷き、先ほどの石碑について話した。そして、村上たちが行おうとしていた儀式の本当の目的が、単なる狂信的な行動ではなく、古来から続く何らかの力を復活させようとするものだった可能性について触れた。


「この村には、まだ何か隠された真実があるはずだ。それを突き止めなければならない」


翔太は不安そうにしながらも、陽太の言葉に従い、共に神社のさらに奥を調べることを決めた。



続く...

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