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永遠の命、始まり

週に1~3回の頻度で投稿予定!

現役高校生の描くアンドロイド×人間のファンタジー&恋愛物語!

 ある日、何の因果か魔女に呪われて永遠の命をもらってしまう。

 何を試しても、腕のいい魔法使いや魔術師に頼んでも死なない。腕を切っても一瞬で再生しまう不死身の体であった。

 既に呪われてから50年が過ぎ、私は各地を巡る旅を始めることにした。




「レイ、ここだ。」

 と、道案内を終えて振り向く彼はアンドロイドだ。高身長で銀色に輝く髪と、青い空のように綺麗な透き通った瞳を持つ彼は、天才発明家のもとで発明された。ゼロという名を持つが、最初はゼロ式アンドロイドという名だったため、そこから名を取り今の名前になった。

 そこら辺のロボットや自動車と違い、決して錆びることのない人間そっくりな体と“感情”と“心”を与えられた。彼は“世界の知恵”を持つ天才で全属性持ちの最強であった。世界の知恵で日々更新されていくあらゆる最新の情報と幾万の情報と知識から最適な物事を考え出す。


 50年も引きこもり同然の暮らしをしていた私からしたらとってもありがたい能力だ。


 彼は主を失い、数年前まで彼の瞳は薄暗い深海のように光が消え失せていたのだ。最初こそ、このようにすごいアンドロイドだとは知らず、可哀想に見えたというのもあり、軽く旅に誘ってみた。

 最初こそ拒否するかとも思ったが主と過ごした家を離れ、「今は亡き主の魂が入ったこの体で主に様々な世界を見せてやりたい」と言ってくれた。


 そして、ここ数年は彼と冒険者も兼ねて共に旅をしている。

 いつしか、知らぬうちに“不死のレイ”と“最強アンドロイドのゼロ”として呼ばれるようになった。


「えーっと、今回はこの依頼か……。うーん、オーク150体か……。ゼロ、どう……?」

 冒険者ギルドから度々こうして呼ばれては4人以上パーティを組んだSランク冒険者でも困難なクエストを依頼されることがある。

「良い。オーク150体なら一刻かからずとも終ろう。だが、その中にデーモンオークがいるなら別だが。」

 ゼロがそういうと、ヘンダー国のギルドマスターのアンナは肩をビクッとさせ、「すみません」と謝罪した後、

「……実はオークは160体を超えており、その中の10体はオークから進化したデーモンオークなのです。そのせいで、今までSランク冒険者でも太刀打ちできず……。ですが、200体いたオークはSランク冒険者のおかげもあり、現在160体まで減らすことができております。」


 魔物の活性化が進行しているからか、各国はSランク冒険者の育成に励んでいるとゼロが話していたことがある。Sランクでも引き受けにくい依頼であるなら、ギルドでうやむやに話されるのももはや慣れたものである。

「分かりました。この依頼は受けさせていただきます。お任せください。」

 申し訳なさそうに俯くアンナを安心させるように丁寧な口調でそう話し、ギルドを出た。




□□□



「先ほどの話ではオークというが、これはただのオークどころではないな。」

 魔力感知で敵の様子を探るゼロがそう話した。アジトにしているという洞窟を見ると、とてつもない魔力量であることは分かる。

「やっぱ、そうだよね…。通常のオークならSランク冒険者の犠牲で40体じゃなくて、100体倒せても可笑しくないからね。」

「レイも気づいていたか。ヘンダー国ではSランク冒険者が不足しているという。そんな変化にも気付けないのも頷けることだ。」

 そう話しながら、洞窟の中を進んでいく。


 数歩入ったところで早速オークが進化したハイオークが3体現れる。

 グオオ という雄叫びを上げ、こちらに突進してくるではないか。振りかぶった瞬間、ゼロと共にそれぞれ二箇所に分かれ、最初の攻撃を交わす。

 地鳴りで頭上の土が落下し、ゼロのいる場所とを塞いだ。

「奥で。」

 塞がれる瞬間。ゼロが瞬間にそういった。予知していたのだろう。


 塞がれてから、ハイオークやオークたちを倒しながらそのまま洞窟の奥に進んでいった。


「うぅ……」

 ふと屍と思われるSランク冒険者たちの中から僅かながら息をしていた冒険者がいた。咄嗟に駆け寄り、状態を見てみるとデーモンオークにやられたのか槍で左肩から胴にかけ引き裂かれていた。

「ゴッデスヒーリング《女神の癒やし》…!」

 最上位の回復魔法を使い、いくつかの光の粒が冒険者の怪我の部分に落ちて重症から軽症までの怪我を一瞬にして治す。少しその場で様子を見てみると、

「…っ、た、助かった……。あの酷い怪我を治せるなんてあんた、何者だ…!?」

 と意識を取り戻したようで、起き上がると怪我の回復具合をみて、何事もなかったかのように傷ひとつ失くなっている自身の怪我を見ては感謝されると共に私のことを尋ねる。とりあえずその様子を見てほっとした。

「私か?私はレイという、ただの冒険者だよ。」

「…名を名乗ってなかった、ですね。俺はシン・ウォロと言います。これでもSランクです。レイ、本当に助かりました。感謝致します。貴女がいなければ、あのままでは朽ち果ててしまっていたでしょう。」

「…やはり、Sランクか。こんな状態で心苦しいだろうが、どこぞの奴と違って詳しい状況の察しが悪くてな。状況を説明してくれ。何があった?」

 苦笑いを浮かべて、真剣にシンに尋ねる。

「…実は……」

 シンは丁寧にここに来るまでのことと、敵のことを詳しく説明してくれた。




□□□



ーレイとはぐれてからー


(…予想はしていたが……かなりの数がいるような。そして、死んでいった人間も。腐敗した悪臭がしないのは、恐らく食らって進化する上位種がいるからだろうな。)

 ゼロは考えを巡らせながら、表情を変えずに次々とオークやハイオークたちを倒して洞窟の奥を目指して進んでいった。


「っ……!」

 しばらく歩いたところでハイオークと戦っている魔法使いを見かけた。足元には生と死を彷徨っていると思われる瀕死の冒険者が2名転がっていた。3人でパーティーを組んでこのクエストに臨んだのだろう。中級から上級のオークがいるとは知らずに。

「…助太刀する。」

 そう言うとゼロは上級魔法で一瞬にしてハイオークを倒した。

「…!嘘、でしょ……。結構苦戦したのに……。」

 呆気にとられている魔法使いを置いて、さっさと最上級の回復魔法をかけて、の傷を癒やす。


「…お前は自分でできるだろ、さっさとやれ。そして仲間担いで去れ。」

 素っ気ない態度で言い、魔術師の方を見た。

「なっ、何よ!上から偉そうに!あんたに命令されなくてもやるわよっ!……ヒーリング!……あ、あれ、治らない……」

「チッ…、中級ごときで治るわけねぇだろ。お前、馬鹿か?……っ、はぁ……ゴッデスヒーリング。」

 舌打ちをし、仕方なく魔術師の傷も治す。

「……あ、ありがとう。……あなた、すごいわね。と、とにかく仲間を助けてくれたことはお礼を言うわ。ありがとう……。私の名前はチェルシー・ジョナス。Aランク冒険者……よ。」

「俺はゼロだ、冒険者。……Aランクか、お前たちはAランクパーティーか?」

「い、いえ。残りのメンバーはSランクだから、Sランクパーティーよ。」

「……ふぅん。……まあ、やることはやった。さっさと仲間連れて去れ。奥に行かない限りもう敵はいない。」

「わ、私も行くわ!……ムーブ・プレイス〈場所移動〉…!」

 そう唱えるとチェルシーは仲間を恐らく宿に移動させたのだろう。


「……お前がいても足手まといだ。ここからはハイオークよりも上位種がいる。」

「……っ、い、行くわよ……。あんた1人でしょ、それに助けてくれた恩人を置いてけぼりになんて出来ないわ。」

「……苦戦してたくせによく言う。」

「う、うるさいわね!さっさと行くわよ…!」

「……行くが、俺に命令するな。」


(……ほんと、1人いるだけでも足手まといなんだが。レイも仲間増やしたみたいだからな、人間助けた、偉いって褒めてもらえるだろ…。早くレイに会えねぇかな……。)


 ゼロはそう思いながら、その後も後衛にシェルシーを頼りながらも、ほぼ1人で倒していき、奥地に進んでいった。

数ある作品の中からこちらを読んでいただきありがとうございます。

何気にアンドロイドと人間の恋愛物語書いてみたくて書き始めました。このあと何話続くのか私にも分かりません!(笑)

ネタ切れにならないところまで好きなだけ書こうと思っております。

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