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15話

「いやアンタとやり直すとか死んでも嫌なんですけど?」

「あはは、そんなツンツンすんなよなー? 由美だって付き合ってた頃は俺の事あんなに好き好き言ってたんだからやり直せて嬉しいだろ??」

「はぁ?? 嬉しい訳ねぇだろ、馬鹿かお前は?」


 明るくおちゃらけた表情なイケメン男に対して、水瀬さんは冷たい表情を一切崩さなかった。 いやでもこんな犬猿の仲みたいな雰囲気を出してるこの二人が付き合ってたって……それって本当なのかな? 俺はつい気になってしまったので水瀬さんにひっそりと耳打ちしてみた。


「……え、水瀬さんってこのイケメンと本当に付き合ってたの?(ひそひそ)」

「……まぁ、一応ね。 でもどうしようもないクソ男だったから別れたのよ(ひそひそ)」

「……あ、そうなんだ。 でもクソ男って一体何があったの?(ひそひそ)」

「……二股してたのよコイツ(ひそひそ)」

「……あ、あぁ、なるほどね(ひそひそ)」


 うん、まぁそれは確かにクソ男と言われても仕方ないわな。 いやでもイケメンだと彼女を複数人も作れるなんて世の中理不尽過ぎるよな。 世の中には彼女を1人も作れずに悲しんでる男子高校生が沢山いるってのにさぁ……


「え、どうしたよ? そんなに二人で近づいてひそひそ話なんかしちゃってさー?」

「いやアンタには関係ないでしょ。 別に彼氏とイチャイチャしてるだけじゃん」

「んーもしかして俺にやきもちを焼かせようとしてる感じ?? あはは、わかったわかった。 全くもう、由美は本当に可愛い事するよなぁ」

「はぁ? アンタ一体何を……って、ちょっ!?」


 イケメン男は笑いながら水瀬さんに近づいて来たと思ったら、そのまま水瀬さんの腰に手を回してグッと自身に寄せてきた。


「ちょ、ちょっと何すんのよっ!」

「あはは、わかったわかったって。 もうそんな無理しなくていいからさっさと俺達やり直そうぜ? それにこの後もどうせ暇なんだろ? それならさぁ……久々にラブホ行かね?」

「ぶっ!?」


 イケメン男は今カレ(偽)の俺が目の前にいるのにも関わらず、真正面から水瀬さんをラブホに誘ってきだした。 あまりにも過ぎる発言だったため俺は思わず吹き出してしまった。 流石の水瀬さんも困惑した表情になっていたけど、でもすぐに言い返してきた。


「いや何で彼氏でもなんでもない男とラブホにいかないといけないのよ? ってか死ぬほど嫌いな男のチンコなんて一生見たくないんですけど?」

「いやだから俺が由美の彼氏に戻るって言ってんだろ? それに由美は昔から俺とのセックス好きだったじゃん。 なら久々に俺とセックスが出来て嬉しいだろ??」

「は、はぁ? いやアンタ本当に何言ってんのよ??」

「いやだって俺達が付き合ってた頃は毎日のようにセックスしてたじゃん? それにどうせ由美もそんな冴えない男とセックスしても全然気持ち良くなくて相当溜まってんだろ? あはは可哀そうになーw だから俺が由美の欲求不満を解消してやるからさー、今からラブホ行こうぜ……って痛っ!」


 矢継ぎ早にイケメン男がそう言ってきたんだけど、その途中で水瀬さんはイケメン男に平手打ちをしていた。 イケメン男は不意を突かれた事によって背中に回していた手を離した。


「痛ぅ……何すんだよ?」

「セクハラよセクハラ。 警察につき出さないだけでも感謝してほしいもんだわ」

「……相変わらず可愛げのない女だなぁ。 ったく、そんなんだから俺に振られるんだぜ?」

「いやアンタに振られたんじゃなくてアタシがアンタを振ったんでしょ、勝手に記憶を改竄しないでくんない?」


 水瀬さんがそう言うとおちゃらけていた感じのイケメン男が若干キレ気味になりだした。 い、いや何この空間……めっちゃ怖いんだけど???

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