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12

鳩が豆鉄砲を食らったような反応をするウカノとは対照的に、コウの横でミズキが腕組みをして、こう言った。


「個人情報の漏洩ですね。

たしかにそんな感じですよね」


ウカノは画面の向こうの2人を見て、戸惑いつつ口を開いた。


「え、で、でも、漏洩って……。

一体どうやって??」


「そうだなぁ。

現状考えられるのは……」


コウが慎重に言葉を選びながら言ってくる。

その横で、ミズキがいつの間に取り出したのか、メモ帳を手になにやらサラサラと書き付けている。


「こちら側に裏切り者がいる、とかだろうな」


メモをとっていたミズキの手が止まる。


「あ、やっぱりコウさんもそう思います?」


「やっぱり、ってことはミズキさんもそう考えてるんですか?

というか、なんでメモを取ってるんです?」


ウカノの問に、ミズキは答える。


「まぁ、そうですね。

私たちも身体検査されましたから。

だとすると、その検査データを入主してウカノさんの弱点を知ろうとしたとか考えられるなぁって。

メモは、創作者にとっての命です」


前者の説明はともかく、メモについての説明が意味不すぎる。

ミズキのメモ帳について、コウが苦笑しながら、ウカノへ説明してくる。


「彼女は未来の作家なんだよ」


「小説家希望です」


ミズキが照れくさそうに、はにかむ。

つまり、物語を作る人、ということらしい。

いや、この場合はそういう人になりたい、ということか。


「でも才能無さすぎて、本当になれるのかわからないですけど。

けど現状はこの上ないチャンスなんですよ!

今後の作品のネタ集めには丁度いいので!!」


(人生を謳歌してそうな子だなぁ)


ミズキに対して抱いた感想を、ウカノが内心でつぶやいた直後。

コウがさらに言葉を続けた。


「話を戻す。

といっても、ここからはただの私の妄想だ。

もしも、こちら側に裏切り者がいない場合。

では、どこからウカノ少年の身体データを得られるか、という話になる。

さて、どこだと思う?」


謎々を出されてしまった。

ウカノは、うーん、と考え込む。


「そうですねぇ。

学園の保健室とか?

何度かお世話になったので。

あとは、身体データとまではいかないですけど、冒険者ギルドとかですかね。

ギルドカードに俺のスキルとか、そういったデータが記載されてるので」


「あぁ、そういうことだ。

つまり、君の1番身近にいる存在、個人か組織かはわからないが。

そういった存在なら、おそらく個人データも入手がしやすいはずだ」


ここで、ミズキが何気なく口をはさんだ。


「一緒に住んでる人がいるなら、なお怪しいですけどねー」


その言葉に、ウカノの心臓が嫌な音を立てた。

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