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別れも覚悟?

 晴れて恋人になってから何度もデートを繰り返し、私の家にお泊りしたりして、年齢が年齢なだけに早々とそういう関係になったりもした。いつの間にか彼は私のことを菜月と呼ぶようになり、私も彼のことを祐介と呼ぶようになった。

 そんな風に距離が縮まってくると、少し気になることも出てくる。


 1.仕事が家族経営の建設業

 父、母、兄、祐介の家族構成で、兄を除く3人で会社を営んでいる。

 とすると、祐介はいつか社長の座につくだろう。それは別にいい。

 例え倒産しても私が働けば貧乏でも暮らしてはいけるし、共働きならな尚問題ない。けれど家族経営というところが気になる。何が引っかかるのかはわからない。

 でも何か気になるのだ。


 2.酒を飲みすぎる

 付き合い始めてからわかったが、祐介は毎日酒を飲む。

 ビールならジョッキ3杯、焼酎なら小さめのコップに2杯。

 酒はべつにいい。でも毎日は飲みすぎだ。現に記憶がない日もある。

 そんなに酔ってなくても毎日となると、肝臓と脳の萎縮が心配だ。


 3.なんだか親からの連絡が多い。

 祐介は実家に住んでいる。家の近くに会社があるので便利らしい。

 それはべつにいい。けれど仕事もそれ以外もずっと家族でいるせいか、なにかと親からの連絡が多い。

 いや、いいんだけど。……いや、私は何を気にしているんだ?


 「というわけで千佳ちゃん、意見を聞きたいんだけど」

 付き合い始めてから4カ月。いつもの居酒屋でビールを頼む。

 「ねえ、菜月ちゃん。まだ付き合ったばかりなのにもうそんなに文句があるの?」

 「文句じゃないけど……」

 「いや、文句だよ。というかもう別れた方がいいよ!」

 「ええ!なんで!?」

 「なんでって…自分が一番わかってるでしょ?そんなに気になることがあるならこの先続かないよ」

 千佳ちゃんに図星をさされ、少し考える。

 別れた方が言われても私はもう29。なんならもうすぐ30になる。この先出会いなんてないかもしれないし、一から探すのも面倒だ。それになにより私は祐介が好きだ。ならなぜ相談したんだ?と思うが、客観的な意見が聞きたかった。だけど…。

 「千佳ちゃんから同じことを相談したら私も同じことを言うと思う…」

 「ほらー!」

 「でもまだ好きだし、別れたくないし、どうしたらいいの!?」

 「いや、わかるけど。別れたら忘れられるから」

 「そうなの?」

 「人間は忘れる生き物だから大丈夫」

 結婚の話なんてまだ出ていない。だけど結婚前に気になることはそのままずっと気になると何かで読んだことがある。なら、腹を割って話すか別れるしかない。

 「わかった。別れるかどうかは置いといてまずは話し合う」

 「そうだね!納得できるまで話し合った方がいいよ」

 「今週末会う予定だから、しっかり頑張るよ」

  

 話し合ってダメなら別れる。…まだそんな覚悟はないけど。

 でもこのままではいけないと、覚悟をもって週末を迎えた。

 

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