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ダメだったところを洗い出す

 目が覚めて時計を見ると、外はまだ薄暗かった。

 いつもなら時間を確認してまた寝るところだけど、その日はなんとなくテレビをつけニュースを見ていた。

 

 「続いてのニュースです。先日俳優の…」

 

 あれ?この俳優結構前に結婚発表したはずなのに、またやってる。

 前回はほとんど思い出せなかったけど、今回はなんとなく覚えている。

 

 これは、3回目の人生だ!

 

 何が原因かわからないけど、やり直しになったのか。

 どういうことなんだ?

 だけど私はもう次の展開をしっているから、今度こそ間違わない!

 「千佳ちゃん!ちょっと話があるの!!」

 「え?菜月ちゃん! びっくりした、どうしたの?」

 会社の昼休みに千佳ちゃんを捕まえ、休憩室に入る。

 「千佳ちゃん、彼氏と同棲して結婚する予定あるよね?」

 「え? あ、うん。 …それがどうしたの?」

 「大好きな人と結婚するってどんな気持ちなの?不安とかあるの?」

 「えー…、どうしたの菜月ちゃん」

 「お願い教えて!」

 「そうねえ。 私はもう長く付き合ってるし同棲もしてるから、後は籍入れるだけって感じで不安はないかな」

 「……そうなんだ」

 私は祐介と付き合っている時、楽しく幸せな時もあったけど、不安もたくさんあった。

 けれど、何が不安で不満で、何がきっかけで婚約破棄になったのかちゃんとわかってない。だから今回の人生は前の人生を活かして、ちゃんと悪いところを改善していかなきゃ。

 「ありがとう、千佳ちゃん。私頑張る」

 「え? …何かわかんないけど、頑張って」

 

 祐介と出会う婚活パーティは6カ月後。

 まず、前回ダメだったのは話し合いをちゃんとしなかったところ。

 別れたくない一心で祐介に従ってから何も言えなかった。だけどもう2回婚約破棄してる。今回は早々にダメになってもいいからちゃんと言いたいことを言って、まずは改善しないと。


 そして予定通り私は6カ月後に祐介と出会い、その後再びプロポーズされた。

 改善ポイントは多分このあたり。

 祐介はお義母さんの言うことは絶対な人。だからお義母さんに好かれる必要がある。お義母さんに会ったのは顔合わせの1回だけだったからそこで私は何か失敗している。

 考えなきゃ。私の何がダメだったのか。

 「ねえ、祐介。祐介の家族ってどんな人?」

 まずは、探りをいれながら家族のことを聞こう。

 「家族?そうだな、父さんはあまり喋らないかな。兄さんは結婚して家もでてるけど、賢くて優しくて俺は大好きなんだけど、あまり帰ってこないんだよね。母さんはそうだなー、なんかわからないけど俺のことが大好き」

 「大好き?」

 「こんなこと言ったら変だと思われるかもしれないけど、結構べったりしてくるんだよね。彼女連れて行ったらすごい睨むし、夜中に俺の携帯漁るし。兄さんが早くに自立しちゃったから寂しくて、子離れできなかったのかもな。俺もアラフォーなんだけどね。母さんから見たらまだまだ子供なのかも」

 これは驚きだ。しかもかなり有用な情報を手に入れた。


 私は顔合わせで自分が失敗したと思っていた。

 けれどお義母さんからしてみれば、ただ私という『女』が気に入らなかっただけなのかもしれない。

 

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