3-2
「新しい朝が来たです! 今日も一日がんばるです! アハッ!」
蒼は小学一年生。
「あんた、呑気にオープニングトークをやってる場合? 敵が攻め込んできたのよ。」
天使エルエルは死んだ幼馴染が取り憑いた小さな呪いのぬいぐるみ。
「あ。うっかり忘れてた。誰だー!? 話の途中で話を変える奴はー!? です。」
気が付いて吠えまくる蒼。
「これが本当の負け犬の遠吠えよ。アハッ!」
蒼の不幸が大好きな天使エルエル。
「人の不幸を笑うな! この堕天使が! です。」
「堕天使言うな! これでも私は天使なのだ! ワッハッハー!」
この流れはお約束。
「ちょっとちょっと。私の出番はどうなるのよ?」
そこに蒼ママが現れた。
「お母さん!? です。」
「いつも息子がお世話になっています。」
「はい。とてもお世話をしております。アハッ!」
挨拶を交わす蒼ママと天使エルエル。
「え!? あなた、お隣の得子ちゃんなの!?」
「はい。実はかくかくしかじかで。」
天使エルエルは蒼ママに事情を話す。
「そんなことがあったのね。大変だったでしょ。」
「はい。大変でした。」
「きっとうちの息子が魔王を倒して、得子ちゃんを元の人間に戻してくれるからね。気を強く持つのよ!」
「はい! お母様!」
こうして天使エルエルは嫁ぎ先を蒼と決めた。
「あの・・・・・・。僕の意志はどこにもないんですけど?」
蒼は置いて行かれた。
「蒼! エルエルちゃん! ご飯よ!」
蒼ママが朝食だと二人を呼ぶ。
「はいです! 今、行くです!」
「ご飯! ご飯! 今日のご飯は何かしら? アハッ!」
こんな調子で物語は始まっていく。
「それでは物語のつづきをどうぞです。」
いるのか? オープニングトーク。
「ちょっと待てー! 私の出番はどうなるんだ!? 私は魔王だぞ!? 魔王の出番が1話完結でなくなったからといってカットしていいのか!? それはおかしいだろ!?」
魔王シュベルトは激怒していた。
「ルシファーの苦労がよく分かるわ。」
悪魔騎士アスモデウスは魔王シュベルトに疲れていた。
「なんか言ったか?」
「いいえ。何も。」
悪魔騎士アスモデウスはストレスが溜まっていた。
「直ちに人間界に行って魔王の威厳を示してくるのだ!」
「はい! かしこまりました!」
悪魔騎士アスモデウスはその場を後にした。
「やったー! ここから逃げ出せる! 魔王様の相手なんかしたくない! わ~い!」
喜んで悪魔騎士アスモデウスは人間界に旅立った。
「なに!? 楓と授が徒党を組んでこちらにやってくるだとです!?」
やっと本編が繋がった。どこかネット環境が悪かったらしい。
「10対5!? 何て多勢に無勢なんですか!?」
蒼たちは絶体絶命のピンチ。
「みんな助け合って頑張るです!」
蒼は仲間たちに声をかける。
「ま、参りました! わ、私辞退します!」
「笑!?」
エミリアは速攻で必殺技の参りましたで離脱。こうして蒼たちは回復役を失った。
「この裏切り者です!」
「まあまあ、私がいるから大丈夫だよ。」
余裕ぶって笑う朧。
「え?」
そして笑いすぎて朧はこけた。
「ギャアアアアアアー! 足が折れた! タンカー! タンカー!」
朧は自分でタンカーを呼べるようになっていた。素晴らしい成長である。
「相変わらず足腰の弱い奴です。しっかりランニングして足腰を鍛えろです。」
蒼は呆れた。
「やっぱり戦えるのは俺たちだけってことだな。」
「私たち二人だけで十分よ。アハッ!」
樹と詩の目に蒼は写っていなかった。
「あの、僕もいるですよ?」
「俺に任せろ。10人全員切り刻んでやる。」
「私が守ってあげるって言っているのよ。チェリーボーイ。」
「うおおおおおおおー!」
樹と詩は二人で10人の敵に向かって行く。
「僕っていったい!? きっといじられキャラで愛されているんです。アハッ!」
「軽くいじめられてるのよ。アハッ!」
お粗末。
「樹と詩か!? 望む所だ! 必殺! 紅葉狩り!」
「所詮は多勢に無勢! 10対2で俺様に勝てると思うなよ!」
正々堂々の楓と他力本願の授。
「望む所だ! 必殺! ミイラ斬り!」
「全員! 焼き尽くしてやる! 火の魔法と火の魔法を合わせて炎の魔法! フレーム!」
樹と詩も応戦する。
ドドドドドドドドドー!
しかし、その時に空が暗くなり稲妻が大地に降り注ぐ。
「ギャアアアアアアー!」
樹たち生徒12人は吹き飛ばされる。
「ここが人間界ですか?」
そこに悪魔騎士アスモデウスが現れる。
「なんだ!? おまえは!?」
「私? 私は悪魔だよ。アハッ!」
「悪魔!?」
「そう、私の名前はアスモデウス。魔王シュベルト様の悪魔騎士の一人だ。アハッ!」
「悪魔騎士アスモデウス!?」
魔王の手下と知り衝撃を受ける樹たち。
「魔王様の世界征服を邪魔する者は子供であっても容赦しません。皆さんにはここで・・・・・・死んでもらいます。アハッ!」
悪魔騎士アスモデウスの目的は将来の勇者が育つことを阻止することであった。
「そんなことはさせるか! 俺たちが倒してやる!」
立ちはだかる樹たち。
「できますか? さっきの稲妻であなたたちは全身大火傷。あなたも立っているだけで剣すら眠れないでしょうに。アハッ!」
「クッ!?」
確かに悪魔騎士アスモデウスの言う通り12人の生徒は全身大火傷で戦力にはならなかった。
「さあ! 一人一人殺してあげましょう! アハッ!」
余裕な悪魔騎士アスモデウスの魔の手が迫る。
「ちょっと待ったです!」
そこに蒼が現れる。
「あら? まだ雑魚が残っていましたか。」
「蒼! 逃げろ! おまえではこいつには勝てない!」
「僕だって未来の勇者の一人です! 逃げるくらいなら死を選びます!」
蒼は少しずつたくましく成長している。
「なら一思いに殺してあげましょう。アハッ! ・・・・・・死ね!」
笑顔で蒼を攻撃する悪魔騎士アスモデウス。
「ギャアアアアアアー!」
見事に殺される蒼。
「蒼!?」
蒼は死んだ。
「弱い。所詮は人間だ。ワッハッハー!」
悪魔騎士アスモデウスは高笑いする。
ピカーン!
その時、空から神々しい光が蒼に降り注ぐ。
「復活です! 僕は絶対に負けないです!」
神様の力で蒼が生き返る。
「蒼!」
樹たちは驚く。
「バカな!? 確かに殺したはずだぞ!?」
悪魔騎士アスモデウスも驚く。
「アスモデウス! おまえには分かるまい! 僕の前身からあふれ出る熱い正義の勇気です! 決して僕は諦めない! 死んでも死んでも何度でも生き返って来て、おまえを倒すです!」
蒼の慣れない名がゼリフ。
「うおおおおおおー! 燃えろ! 僕の勇気! です!」
蒼は闘志を燃やす。
「小学生の子供のどこに、こんな強大な勇気があるというのだ!?」
蒼に驚く悪魔騎士アスモデウスは驚く。
「くらえ! 僕の必殺! 神サンダー!」
蒼は稲妻を悪魔騎士アスモデウスに降らせる。
「ギャアアアアアアー! 覚えてろよ!」
雷が命中した悪魔騎士アスモデウスは逃亡する。
「正義は勝つです! アハッ! です!」
蒼は勝利した。
「あれ? みんな、どうしたですか?」
蒼が周囲を見渡すと12人の生徒たちは真っ黒焦げであった。
「おまえの稲妻が飛び火したんだろうが!」
代表して悪者の授が答える。
「え? ええー!? です!」
その通り。蒼の稲妻が悪魔騎士アスモデウスに命中すると共に周囲にいた樹たち12人の生徒を真っ黒こげにした。
「ピーポー! ピーポー!」
救急車が現れて焦げた生徒たちを病院に運んでいく。
「ということで、渋谷区代表選手は佐藤蒼くんに決まりました!」
「どういうことですか!?」
蒼は東京都23区大会の渋谷区代表選手に決まった。
「アホッ。キャハハハハハー!」
この展開に天使エルエルは大ウケだった。
「ねえねえ、蒼。」
「なんですか? エルエル。」
蒼は一日の仕事を終えて自宅に帰ってきた。
「23区大会が終えれないとヤバいからって、さすがに省略し過ぎじゃない? 1話5000字でも1000字も少ないんだけど。」
「困りましたね。1話5000字で終わろうと思うと盛り上がり過ぎると分けることができなくなり永遠に続いていきますし、形だけ作ってさっさと終わらせて、こうやって「蒼とエルエルの部屋」みたいな感じでゆるく字数を稼ぎ1話5000字調整をする方が安牌な安全運転でいいんです。」
「それもそうね。私の出番も増えるしね。アハッ!」
天使エルエル、納得の理由である。
「で、何をやるの?」
「何をしましょうです?」
「・・・・・・。」
蒼と天使エルエルは顔を見合わせ言葉に詰まる。
「考えがあってやってるんじゃないのかい!?」
「5000字前後でお母さんがご飯で呼びに来て終わるところだけ決まっています。アハッ!」
蒼はこういう奴である。
「蒼! おまえ私を生き返らせる気があるのか!?」
「あるです! 僕が魔王を倒してエルエルを得子に戻してみせるです! アハッ!」
蒼についてから考えよう。
「神様との約束で魔王を倒したらエルエルを堕天使から人間に戻してもらえるです。」
「堕天使言うな! これでも私は立派な天使だぞ! うほーっ!」
天使エルエルは堕天使と言われるのが嫌い。
「毎回、物語も進めて、悪魔も倒す。結構ハードスケジュールです。」
「でも毎回お約束を続ける作品が最終的に強いのよ。」
15分モノの未来の猫型ロボット先輩しかり、お顔をちぎって食べさせる先輩もそうである。30分モノもアイドル先輩、機動戦士先輩、一子相伝先輩など戦いモノや日常モノもお約束で毎回同じことの繰り返しでファンを掴んでいる。進撃先輩や毀滅先輩も結局は戦いモノで戦いの繰り返しである。
「ということは、僕の物語の展開もおかしくはないです。アハッ!」
「おかしいのは私たちのコーナーがある所よ。アハッ!」
マイペースな蒼と天使エルエル。
「毎回、違う悪魔が登場するモノ、機動戦士先輩で新型モビルスーツが出るのと同じで、ファンを飽きさせないとか、プラモデルを買って集めてもらう、カードの種類を増やしてコレクションしてもらう楽しみを提供するためです。」
「違うでしょ。全ては売り上げのためよ。会社が儲けるためなら「ファンのために」の名の下に、ドンドン商品を増やして売りつけるのが制作会社の本音よ。アハッ!」
「エルエルは夢がないですね。子供の夢を壊すつもりですか? この堕天使め! です!」
「堕天使言うな! 最近は少子化で子供よりお金持ちのアニメオタクの大人に売りつけるのが流行っているのよ! アハッ!」
お金を出さない者はファンとは呼ばないのが制作会社の本音。
「無課金をバランスよく確保して逃がさないゲームが一番優秀ですね。」
「そうね。最近は中国ゲームの方が優秀ね。アーク先輩や原神先輩とかね。」
日本はゲーム作りでも死んだかもしれない。
「蒼! エルエルちゃんご飯よ!」
蒼ママが夕ご飯を知らせる。
「はい! 直ぐに行くです!」
「ご飯! ご飯! 美味しいご飯! アハッ!」
こうして蒼と天使エルエルの一日は終わっていく。
1年2組1班
佐藤 蒼 剣士 神様標準装備 神サンダー
鈴木 樹 剣士 ミイラ斬り
高橋 詩 魔法使い
田中 笑 回復職 秒殺
伊藤 朧 剣士
1年2組2班
井上 楓 魔法剣士 紅葉狩り
木村 築 魔法 謎
林 空 魔法 凡人
斎藤 蛍 魔法 気配を消す
清水 心 魔法 回復道具いっぱい
1年1組
山崎 授 かなり性格が悪い 卑怯
森 静 未だに不明
池田 昴 凡人
橋本 刹 気合突き
阿部 奏 リコーダー
校長 渡辺
購買のおばちゃん。 山本
保健の先生 中村
剣の先生 小林
魔法の先生 加藤
悪役で教頭。吉田
担任の先生。山田
VR全否定の普通の授業の先生。佐々木
掃除のおっちゃん。山口
給食のおばちゃん。松本
神ゼウス サイコパス 神サンダー
天使エルエル マスコットキャラクター
天使ウリエル 神の火 神の光
天使ガブリエル 死者を生き返らせる ドレイン 蘇生魔法リザレクション
天使ラファエル 神の癒し
蒼パパ
蒼ママ 料理が美味しい。
魔王シュベルト
悪魔騎士ルシファー 傲慢 光魔法サンライズ
悪魔騎士アスモデウス 色欲 誘惑テンプテーション
悪魔バエル 光魔法ライト 光の矢
悪魔アガレス 地震アースクエイク
悪魔ウァサゴ 暗殺 透明インビシブル
悪魔ガミジン 召喚サモンズ
悪魔マルバス 疫病プレーグ
悪魔ウァレフォル 盗むスチール
悪魔アモン 不和ディスコード
悪魔バルバトス 狩人ハンター
悪魔パイモン 楽器トランペット
悪魔ブエル 薬草 5本の足 とても臭いらしい。
悪魔グシオン 知識 逆転
悪魔シトリー グリフォン 秘密を暴く
恵比寿小学校
石川 巧 鈍感
山下 誓 約束
中島 伝 受け流す
石井 輝 照明弾
小川 巴 巧が好き
広尾小学校
前田 隠 身を隠す
岡田 錦 錦鯉
長谷川 縫 特殊能力者
藤田 寧 女剣士
後藤 希 やる気なし。
代官山小学校
近藤 鋼 仮勇者
村上 響 魔法使い
遠藤 太 斧 怪力
青木 紅
坂本 洸
港区小学校
斎藤 舞 くノ一
福田 澪
太田 麦
西村 冥
藤井 基
新宿小学校
金子 刃
岡本 優
藤原 夜
中野 ピッド ピット・パンチ
三浦 アンジョリーナ
世田谷小学校
51原田 雷 雷遁の術
中川 陸
松田 類
竹内 烈
小野 漣