第1話 UFO
それはあまりにも突然の出来事だった。目の前の光景を信じる事ができず、三上 真は立ち尽くしていた。三上の後ろには3人の少女達がいる。彼女達も驚きを隠せず、口を開けている。
彼らの目の前には、大きな空飛ぶ円盤が宙に浮かんでいる。そして、その円盤からさす光が照らしているのは三上の彼女である、篠原 優子。
優子は三上に優しく微笑みかけ、ごめんね。とただ一言発する。三上は困惑していた。三上にとって優子は初めての彼女であったし、本当に大好きだったのだ。
最近、優子が寂しそうな表情をする事が増えて心配していたが、まさかこんなことになるなんて思いもしなかった三上は、震える声で尋ねる。
「し、正直全然納得できないよ...。一体、どうしてこんなことに...?」
ぐっと奥歯を噛み締め、うつむく三上に優子は優しく手を握る。
「まこちゃん。ごめんなさい。今までずっと黙っていたけど、私は今よりずっと未来の世界から来たの。」
三上はバッと顔を上げる。何かの悪ふざけだ。ドッキリなんだと思いたいが、目の前に浮かぶUFOが全てを物語る。
「それじゃ、いかないと。」
そう言った後、優子は三上を優しく抱きしめた。三上は一筋の涙を流す。そんな三上に優子は最後の言葉を紡ぐ。
「最後に、私の未来での本当の名前を教えてあげるね。私の本当の名前は、モンムッチャ・ユゲ。」
そういって、三上の頬にキスをすると、優子は
UFOに乗り込んでいった。三上は理解が追いついていなかった。優子が未来人?優子の本当の名前は、モンムッチャ・ユゲ?何もわかっていない。俺はまだ君を何も。
三上は手を伸ばすが、優子を連れたUFOは夜の闇に一瞬で消えていった。
後に残ったのは、涙を流した三上と、その驚愕の一部始終を口をあんぐりと開けて眺めている3人の少女だけだった。
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