表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

第7話 襲撃

 ある日の高校からの帰り道。隣にいるのは同じクラスの東堂咲とうどうさき山内静香やまうちしずか不破木乃香ふわこのか

 

 咲、静香、木乃香は近頃クラスで放課の間に喋ったりする仲だ。

 

「最近、このあたりで物騒な事件が多いから気をつけてね」 

「そうだよね。ほんと怖い〜」

「早く犯人捕まらないのかな」

 

 最後にそんな会話をし、私たちは別れた。

 

 そして、今、私は一人で自分の家へと向かっている途中。そこで、ふと何か違和感を感じた。そう誰かに後を付けられているような。だが、後ろを振り返っても誰もいない。一応、魔法で気配を探ってみるものの誰もいない。

 

「私の気のせいかな」

 

 そう思い、私は自宅へと入る。

 

 その夜、晩御飯の時間である。私は、父親、母親と私の3人家族であり、今日も、3人で食卓を囲んでいた。

 

「最近、結愛なんか楽しそうね」


 そう言ったのは母親だ。

 

「確かに」

 

 そう反応したのは父親だ。

 

「まぁ、最近は高校で友達ができて前より楽しいかも」

 

 私は、顔に笑顔を浮かべてそう答えた。私は、瑞樹くんが死んだ時、長い間家にこもっていたことがある。おそらく、両親はそのことをとても心配していたのだろう。

 

 当然、両親は私が魔法の力を得て、復讐を実行していることは知らない。だが、罪悪感はない。私は世界を変えるために復讐をしているのだ。私は正しいのだ。そう思いこませようとしていた。

 

 ーーーー

 

 時刻はすでに午後11時を回っていた。今日やらなければいけないこともやり終えたので、自室のベッドで眠りについた。

 

 私は、家中に鳴り響くインターホンの音で目が覚めた。

 

「ピンポーン、ピンポーン、ピン……」

 

 それは、鳴り止むことを知らず、なり続けた。誰だこんな真夜中に。そう思って起きようとしたところ、隣の部屋のドアが開く音が聞こえた。おそらく、母親か父親がインターホンの音で目が覚め、応対するために出ていったのだろう。そして、事件は起きた。

 

「キャァァァァァァァァ!」

 

 母親の悲鳴が家中に響き渡った。その後、

 

「何事だ!」

 

 と父親が出て行く音が聞こえた。その後間も無く、

 

「うはっっ…」

 

 と父親の苦しむことが聞こえた。居ても立っても居られなくなった私は自室の部屋と扉を開き、玄関まで走った。

 

 そこで見たのは、信じられない光景だった。あたり一面に広がる血の海。そして、無残に倒れている両親の姿だった。思わずその場に駆け寄った私は驚いた。

 

「く、首が…」

 

 その状態に、私は既視感を覚えた。そう、私が以前殺した智枝美と千鶴の状態に酷似していた。並の人間にこんな芸当はできない。そう、考えられるのは魔法の力だ。


とりあえず回復魔法を使って両親を助けようとする私に声がかけられる。

 

「もう、死んでるので、回復魔法は使えませんよ。水瀬さん」

「あ、あんたは!?」

 

 そこに立っていたのは、クラスメイトの男子、横山龍弥よこやまりゅうやだった。彼はその持ち前の明るさや、優しさからクラスではかなり人気のある生徒だった。私ともそれなりに仲が良く、普通によく喋る仲であった。それ故に、私は今目の前に広がる現状を理解できずにいた。

 

「龍弥くんが、これをやったの……?」

「はい。申し訳ありませんが、今日の帰り、あなたの後をつけさせてもらいました」

「…んで…」

「はい?」

「なんで、こんなことを!」

 

 私は、ただ、泣き叫ぶことしかできなかった。私を大切に育ててくれていた両親。それを、いとも簡単に殺してくれたこいつへの憎しみよりも、悲しさが勝る。どうして、こんなことに。なんでこんなことになったのだ。

 

「それは、あなたがよくお分かりなのでは?そうです。”復讐”ですよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ