5章
ヒリヒリと顔や首から何かの焦げくさと痛みを感じるが俺は炎で死んだ覚えはない。
と、とにかく現状把握!大きなベッドから飛び出して鏡を探そうとしたらヒリヒリするのと覚えにない、なびくマリンブルーの髪が不安を大きくさせる。
広い部屋から見つけた鏡には。
包帯を首から巻いている
『女』がいた。
「いや、女って言うか少女だよな?」
アッハッハ、と笑っても乾いた笑いの後は少女らしい部屋に沈黙しか返ってこない。
不安がピークに達しようとしてた時
「ティンリー、もう大丈夫だ!
さっ、あの大魔法ハイアル殿が来たぞ」
知らないオッサンがローブと剣?には見えにくい剣か何かを持っている銀髪の青年を紹介してくる。
ローブを着た青年を見た瞬間懐かしいとは違うまるで親でもなく最愛の人間にあった気分になり。
こちらに瞳を合わせない事に酷く悲しくなって
まるで何百年もの間探した人間に会った様に包帯で巻かれた首やおでこ、隠れた片方の目からは
「やっと会えた……………殿下。」
涙が勝手にポロポロと落ちてゆく。
包帯の下に滲むどうやら怪我より。
胸が痛くなり。
金髪が銀髪になった殿下
空を思わせるスカイブルーより藍色な青の瞳から真っ赤なラズベリーレッドな殿下
顔立ちは少しも変わらずにいる殿下。
渦巻くのは懐かしさより何故か苦しく俺は素足で走り出すとローブの青年に飛びついた。