9:身分は第一王女です。
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9話:身分は第一王女です。
合格発表当日、王立学園の受付広場に来た。
すでに掲示板には合格者が張り出されているようで、合格して笑っている者、落ちて泣いている者と反応はそれぞれだ。
書くいう俺はと...あった!
これで晴れてオルレアン王国王立魔法学園の生徒になったというわけだ。
「一般科に合格の方はこちらに並んで受験票を提出してください。入学手続及び入学案内を致します」
受付へと向かい、受験票を渡す。
「はい。それでは受験票をいただきます...!?...ちょ、ちょっとお待ちください」
そういうと受付嬢が、慌てて裏へと入っていった。
なんだ?
それから5分ほど経った後、受付嬢が戻ってきた。
「お、お待たせ致しました。入学のご案内を致しますので、こちらへお越しくださいませ」
うん?他の合格者と違う対応だが、どういうことだ?
「他の合格者はこちらで案内されていましたが?」
「は、はい!え、えっとですね、す、推薦状をお持ちになられた方は、別途注意事項があるためです」
なんか凄い焦りながら話しているのが気になるが考えても仕方ない。大人しくついていくことにした。
向かった先は学園長室と書かれた部屋だった。
コンコン...「受験番号115番トウマさんをお連れしました」
「入ってもらってください」
受付の人が俺を見る。入れってことですね。
ガチャッ
「失礼します」
中に入ると、人の良さそうな白髭が似合う好々爺然とした男と金髪が似合う姫と言っても差し支えない俺と同年代と思われる女性の2人が部屋にいた。
好々爺が話しかけてきた。
「君がトウマ殿か。ここまでご足労掛けて悪かったね」
「いえ...ですが、何用で呼ばれたのでしょうか?どう考えても入学の案内という訳ではなさそうですが?」
入学の案内で学園長室に連れてこられるなんてありえないからな。何か別の用事があるということだろう。
「いやなに、私の姪がどうしてもトウマ殿に会いたいと、せがんできましてな。フォッフォッフォッ」
「お、おじい様!そういう意味ではなくてですね、ホントに私が知っているトウマなのかを知りたかっただけです!」
「フォッフォッフォッ、似たようなものではないか。それで、どうなのだ?」
「ええ。随分と変わったように見えますが、面影はあります」
金髪の女性は俺のことを知っているようだが、俺は見覚えが...いや、待てよ。もしかして...
その俺の反応を見た女性が確信をしたというような顔をして話し始めた。
「やはり、あなたでしたか。5年ぶりかしら?トウマ様」
「...お久しぶりでございます。オルレアン王国第一王女、エレナ様」
まさかの王女様がいらしたよ。会うのは10歳の時の帝国主催パーティ以来だ。王族から追放されてからは会うことはなかったからな。
5年経つと、可愛いよりも綺麗と言ったほうが良さそうだな。ってかどうしてここにいるのかな?
「まさか、あなたが学園の一般科を受験しているとは思いませんでしたよ」
「どうして俺だと?」
「最初はわからなかったわよ。ただ、Bランク傭兵の身分証とブロア商会の推薦状、さらには魔力値がSランク、筆記試験は満点、
ダメ押しで実技試験では上級魔法まで耐えられるはずの的を粉々にした異端児がいると報告を受けるまではね」
言葉だけ聞くと、とんでもない奴がいると思うな。すると今度は学園長が話しだした。
「試験結果の報告を昨日受けましてね。名前を聞くとトウマというじゃないですか。15歳の少年で名はトウマ。
昔、姪から聞かされていたバルドフェールの元王子の名前と年齢が一緒でしたから、もしかしてと思い、エレナに聞いてみたのですよ」
「もちろんそれだけじゃ確信は持てなかったから、こうして実際に会ってみようと思ったのよ。
試験結果は前代未聞でもあったから間違ってても体裁は何とでもなるし」
なるほど、それで実際に顔を見たらビンゴだったという訳か。
「それで?顔を見たかっただけという訳じゃないんだろ?要件はなんだ?」
少しエレナが悲しそうな顔をしたが、すぐに元に戻り話を切り出してきた。
「いくつか聞きたいことがあるわ。なぜ王立魔法学園へ?」
「自らが強くなるため」
「なぜ傭兵を?」
「強くなるためと生きるため」
「それは帝国に対する復讐心からかしら?」
「ハハッ、別に復讐心なんてないよ。逆に感謝してるぐらいさ」
「なぜ?役立たずと言われて追放されたのよね?悔しくないの?」
悔しいか...その感情は5歳の時に見た夢からは持ち合わせていないな。既に何とも思っていないという態度をエレナに示す。
「わかったわ。でも強くなるために魔法学園へと来たというけれども、既にあなたの魔力量、実戦力は学園レベルより上だわ。
果たして意味があるのかしら?」
心底不思議です、というような顔をしている。不覚にも可愛いと思ってしまったのは内緒だ。
「俺の魔法については知ってるだろ?」
「確か模倣魔法よね...あっ!そういうことね。だから魔法学園ということなのね」
エレナは俺の魔法を知っているからな。
「ある程度わかったわ。でも一つだけ腑に落ちない点が一つあるわ。あなたの魔力量はDランクと聞いていたのに試験の時はSランクとなっていたわ。
魔力量は稀に上がることがあるからといって、4ランクも上がるなんてありえないわ。あなた、何をしたの?」
「企業秘密だ」
魔力は使い切る毎に微量ながら上がっていく。その期間は5歳~10歳までの5年が一番上がりやすい。
既に10歳の時にはある程度の魔力量まではいっていたと思う。でも10歳~15歳までの期間でも上がっていたように感じるが、
その伸びは5歳~10歳までのに比べてわかるほど伸びは少なかったように感じた。これを今教えるつもりはない。
なぜなら今さら教えたところで魔力量が上がることもないだろうからだ。というよりも教えるメリットがないからだ。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「ハァァァ、わかったわ。それについては聞かないことにしましょう」
このエレナの返答に対して、学園長が確認する。
「いいのかいエレナ?それがわかれば...」
「恐らく、彼が言わないのは私たちが知っても意味がないということもあるのだと思います。
それなら無理矢理聞いて私たちへの心証が悪くなることを防いだ方がいいと判断しました」
さすがは第一王女なだけある。それにしても心証か?俺に何をさせるつもりなのか。
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