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7:職業は受験生

読者の皆様、おはこんばんにちは!

Nakiです( ^ω^ )


皆様のブックマーク登録&評価、そしていつも読んでいただきありがとうございます!


非常に励みになります。


もちろん登録はしていないけど、読んでるよって方もありがとうございます!今話もぜひお読みください。


7話:職業は受験生



ここが、オルレアン王立学園か。結構広くて威風堂々たる建物だな...さすが王都ということか。



ザワザワ



それにしても凄い人数だな。これ全員が入学試験を受ける希望者ということなのか。



「王立魔法学園一般科を受験する皆さんはこちらへとお並びください」



係員の女性が誘導しているので、俺も並ぶことにした。



ちなみに虎徹たちは厩舎付き宿屋でお留守番だ。さすがに連れていくわけにはいかないからな。



「次の方どうぞ!」



そうこうしていると、俺の順番になった。



「宜しくお願いします」



「はい、それでは身分証明書をお願いします」



身分証である傭兵カードを取り出して受付の人に渡すと、受付の女性は一瞬困惑したような顔をする。



この歳で傭兵しているのも珍しいし、傭兵が学園に入ろうとするのも珍しいからな。



「えっと、こちらの身分証明書ですと、推薦状が必要となるのですがお持ちでしょうか?」



おっと、忘れてた。



「これが推薦状です」



「拝見します......えっ!?ブロア商会の?」



「何か問題でもありましたか?」



「い、いえ、大丈夫です!問題ありません!それではこの魔晶石に魔力を込めてください」



魔晶石。これに魔力を込めることで、自身が持つ魔力量を測ることができる道具だ。



魔晶石に手をかざし魔力を込める。



パァァァン!ピシッ




おっと、やばい。魔晶石を壊すわけにはいかないからな。魔力を込めるのを止める。




「な、魔晶石にヒビが!?...え、えっとヒビが入ったということは...Sランク!?信じられない」




魔力はDランクからSランクまで上がってたのか。あれだけ魔力枯渇で倒れた甲斐はあったってことか。報われた気がするよ。



周りがざわつき始めたが、特に気しないことにする。俺に害を及ぼさないのであれば。



受付の人たちが少し慌てているが、手続きは進んでいく。



「こ、こちらが受験票になります。あちらの奥の教室に向かってください」



教室の中に入ると既に大勢の受験者が席についている。ここにいる全員が何かしらの魔法が使えるということだ。



これは受からないといけないな。まぁ受かる自信はあるんだけど。一応これでも元王族で英才教育は受けていたからな。



少し時間が経ったときに、試験官と思しき女性が教室へと入ってきた。



パンパンッ



「静かに!これから一般科の入学試験を始めますが、試験はそれぞれの魔法に応じた実技と筆記試験となります。それではまず筆記試験から始めます」



そういうと、テスト用紙をそれぞれに配っていく。



「それでは、はじめ!」




入学試験は筆記試験と実技試験があり、この王立魔法学園は実技である魔法が最重要となるが、実技の点数がほぼ同じの場合、筆記試験の点数が加味される。



筆記試験は主に貴族と平民に関する歴史の問題と四則演算の数学の問題だ。



筆記試験が終わると、それぞれが申告している魔法の系統別に別れ、訓練場へと進む。



俺は模倣魔法とは申告せず、戦闘系魔法として申告した。



「それでは、次は実技となります。戦闘系魔法は5人ずつ訓練場にて設置している的に向かって魔法を放ちなさい」



試験官がそう言い、受験者たちが順番に的に向かって魔法を放っていく。



「《火の球となって我が前の敵を燃やせ!火弾ファイアバレット》」ポシュッ



「《一陣の風となって敵を切り裂け!風刃ウインドスラッシュ》」シュッ



込める魔力も練度も低い攻撃だ。横目で試験官を見るが、先ほどの二人に×をつけているようだな。



あの程度の威力じゃ合格は厳しいということか。おっと、次の連中の番のようだ。




「《炎の矢となって敵を貫け!火炎弓フレイムアロー》」バシュッ



「《岩よ!飛礫となりて敵を打ち砕け!破砕クラッシュ》」ドガッ



的は破壊されていないが、込めた魔力はまぁまぁだ。魔力制御が拙いが制御ができるようになれば今よりも格段に威力は強くなるだろう。



さっきと同じように横目で試験官を見るが、あの二人には〇をつけているようだ。



なるほど、あの程度の威力で問題ないのか。なら全力でやる必要はなさそうだ。



「それでは次の受験者は前へ!」



俺の番か。



「《撃ち落とせ!【落雷らくらい】》



ズガンッ!



雷が落ち一瞬で的は塵になり、静寂が辺りを包む。



それを見た試験官は固まってしまったが、すぐに意識を取り戻した。



「そ、そんな...あの的は上級魔法も防ぐ結界魔法が施されているのに...」



落雷が上級魔法に位置づけられるのかは知らないが、師匠が教えてくれた魔法だ。



なんども魔法制御に失敗して自ら受けること数百回、枯渇で気絶数百回したのは伊達じゃないぜ!



まだまだ模倣の域をでないけど、いつかはオリジナルを超えて見せる。




「以上で、試験は終了となります。結果は明後日、昼の刻に試験会場受付広間にて掲示されます。それでは解散!」




それぞれが帰宅の路についていく。俺は模倣魔法で見た魔法を試してみるため、虎徹たちを伴って王都外の荒野地帯へと向かうことにした。






人気もないし、ここら辺なら魔法の試し打ちをしても問題ないだろう。



「虎徹、白狼、周囲警戒をしながら遊んでていいぞ」



ワフゥ!


グルッ!



そう言うと2匹は走り去っていった。暇を持て余していたんだろう。



さてと、そんじゃあ早速試してみますかね。




《火の球となって我が前の敵を燃やせ!火弾ファイアバレット》ポシュッ



《火の球となって我が前の敵を燃やせ!火弾ファイアバレット》ボシュッ



《火の球となって我が前の敵を燃やせ!火弾ファイアバレット》ボンッ!



《一陣の風となって敵を切り裂け!風刃ウインドスラッシュ》シュッ



《一陣の風となって敵を切り裂け!風刃ウインドスラッシュ》ザシュッ!



《炎の矢となって敵を貫け!火炎弓フレイムアロー》バシュッ



《炎の矢となって敵を貫け!火炎弓フレイムアロー》バシュンッ!



《岩よ!飛礫となりて敵を打ち砕け!破砕クラッシュ》ドガッ



《岩よ!飛礫となりて敵を打ち砕け!破砕クラッシュ》ドガガガッ!




「ふぅ...こんなもんか」



既に辺り一面の地面は抉れ、岩は岩としての形を成していない。



模倣魔法は一度見た魔法を模倣できるが、一度目の威力は最初に見たイメージに引っ張られるため、威力が弱くなる傾向にある。



しかし繰り返し使うことで、イメージを上書きしオリジナルよりも強い威力を出すことが可能になる。



もちろん魔法に込める魔力と魔力制御が上手くいかなければならない。魔力と魔力制御、そしてイメージを総合して練度と総称しているが、



この練度が低い状態で魔法を使用すると、持っていかれる魔力量が高くなるくせに威力が低くなり、最悪簡単に魔力枯渇を引き起こす。



いかに魔力量が幼少時代に比べて格段に上がっていると言っても、こればっかりは避けて通れず、新しい魔法を覚えたときは周囲が安全な場所で行うようにしている。




ワオン!


グルッ!



虎徹たちが帰ってきたみたいだ。うん?二匹とも何か口に咥えているな。あれは...人?



本話を最後まで読んでいただきありがとうございます。


「面白い」「次話も楽しみ」など思っていただけたら、とても励みになるので、

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