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4:身分剥奪。職業は無職です。

4話:身分剥奪の上、追放されたので職業は無職です。



あれから5年後。俺は10歳になった。オレが10歳になったということは第二王子である弟が5歳となり適性魔法を調べることになったということだ。




そして、王と大勢の貴族が集まっているここはバルドフェール帝国「玉座の間」



そこに1人の少年が王の前まで歩いてきた。




「父上、お呼びでしょうか?」



「トウマよ。今回呼んだのは貴様の処遇が決まったからだ」



「私の処遇...ですか?」



「そうだ。第二王子である我が息子が発現させた魔法は、私と同様、歴代の王に比肩しうる力を有していることがわかった」



第二王子は俺の弟だ。その弟が先日、強力な魔法を持っていることが判明したのだ。オレの魔法と違って。




「虎狼の国と呼ばれている我が国の王族に求められるのは一流であることだ。そのため次期帝国の王は、強く一流でなければならない。しかし第一王子である貴様の魔法は《模倣魔法》という人の魔法を真似ることしかできない猿真似魔法だ。しかも魔力値も低い。これでは一流にはなれない。見るべきは特出した強さであり、唯一無二のオリジナルこそが一流たる証なのだ。貴様の魔法は二流、いや、三流でしかない。よって、次期王は第二王子とし、お前は王族に相応しくないということで王族から追放とする。これは決定事項だ。せめてものよしみだ。明日までに荷物をまとめて王宮より出ていけ。以上だ」



長々とした説明ご苦労様です。自分たちの行いを正当化するときの話の内容って無駄に長くなるよね。


あと、せめてものよしみは何処らへんがよしみなんだ。もしかして荷物を纏めることか?それとも明日までということか?



「......わかりました」


まぁいいや。俺は一人、玉座の間を後にする。




さて追放か。5年前から次期王は弟になるということはわかっていたけど、まさか追放されるとはね。



結局、父である王は模倣魔法の凄さを理解できなかったということか。それは他の貴族たちにも言えることだが。



いいけどね、俺は俺の人生を歩む。まぁ、予てより計画していたのが前倒しになっただけだと思えばいいか。



オレの模倣魔法は読んで字のごとく、模倣・真似ることが出来る魔法だ。それも、その魔法を見ただけで。



しかもこの模倣魔法は魔法を模倣するのではなく、魔法で模倣するのだ。ここ大事。



つまり、模倣できるのは魔法だけでなく、剣技スキルなどの魔法以外でも模倣することが出来るのだ。



多種多様・千差万別の魔法やスキルと言われている全てを、魔法によって扱うことができるというチート魔法ということだ。



もちろんデメリットもある。デメリットというか条件というのが正しいのかな。



それは、魔法使用について使用する魔力量が多く、更に威力が弱いということだ。このため、魔法の連発も容易ではないのだ。



だけど、このデメリットも今の俺からしたら、デメリットになり得ない。



なぜなら魔力は5年前に比べて比にならないぐらい上がっているし、魔力制御も格段に上手くなってるからだ。



さて、それでは計画を発動することにしよう。



計画とは、模倣魔法を使い多種多様・千差万別の魔法やスキルを覚えていくことだ。



これを効率よく覚えるためには、どこか良いところがないか考えた。すると一か所良いところがあることに気づいた。



そこは学園だ。多くの生徒が集い、魔法やスキルを研鑽する学園であれば、より多く、そして早く覚えることができる。



向かう国だが、俺は追放された身だから、さすがに帝立学園は対象外だ。オレを知らない国の学園に行く必要がある。



それと大きい国でないと生徒が少ない。それと他国の人間でも学園に入ることが出来るところか。



確か、オルレアン王国に今年から王立魔法学園一般科というのが新設されるとか、パーティーで王国の姫が言っていたのを思い出す。



それと学園へ行くための学費や宿代・食費も必要だし、もちろん覚えるだけじゃ、宝の持ち腐れだ。



その魔法や剣技スキルを十全に扱えなければ意味がない。扱えるようになるには実戦が一番だ。



それに学園は15歳からという話だったからな。ならあと5年は傭兵になって金を稼ぎながら実戦経験を得る。そして他国へと向かう。



これが最善で最良だ。一石二鳥、いや、一石三鳥だな。それにしても10歳で追放とはな。そんなに俺を追い出したいのかね。この国は...




「トウマ様!」



すると後ろから俺を呼ぶ声が聞こえてきた。



一時期、俺の指導員をしてくれたシリウス伯爵だった。この男、剣1本で辺境伯へと上り詰めた剣豪である。



味方がいないと思っていたが、このシリウス伯爵は昔、俺の母に世話になったことがあるらしい。その縁でオレの指導員を自ら買って出てくれたのだ。




「トウマ様!なぜトウマ様が追放されなければならないのですか!?」



「オレの魔法は一流になれない、王家の恥だということだ。これは王のみならず王妃も、それに議会も賛成したことだ。拒否権なんてないよ。殺されないだけ良かったさ」



「しかし、トウマ様の模倣魔法は...」



「そこまでだ!シリウス伯爵、それをここで言ったところで何の意味もない」



「・・・・・・かしこまりました、トウマ様はこれからどうされるのですか?」



「オレの魔法の特性を知ってるだろう?可能性を広げるために他国の学園に向かうつもりだ」



「それなら私もお供させていただきます!」



「ダメだ。あなたには守る民がいるだろう」



「ですが!?」



「あなたは自分の領地を全力で守ることだけを考えて欲しい。最近、魔物の動きが活発になっているようだし」



「...かしこまりました。トウマ様、ご武運をお祈り致します」



「シリウス伯爵も武運を祈ります」




本話を最後まで読んでいただきありがとうございます。


「面白い」「次話も楽しみ」など思っていただけたら、とても励みになるので、

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