Act.10『未来を視る眼を持つ聖少女』
──Res fortiter ferre debet facere fortunam?
Iacet summa veritas est?
ついに大いなる運命が訪れてしまった。
それは遠い以前から予見していた、私の運命を大きく揺り動かす未来──災いの日。
そう、私は……いいえ、私達はある日突然、穏やかな日々を奪われたのだ。
とある一人の、恐ろしい魔女の手によって。
──Quod maxime modo ad praedicere futura est quia invent.
あの人は私の未来視を潜り抜けて、真っ先に私へ狙いを付けた。
きっとあの人には解っていたのだろう。私の眼の持つ力と、私を抑えればみんなが抵抗出来なくなる事を。
最初から私に目を付けて、用意周到に計画を実行したのだ。
己の胸に懐く、強い執念に近いような望みを叶えるために。
──Est autem in homine usque ad partum, sed ne exspectare iustus pro futuris.
私の未来視は強力だ。だからこそ私は油断していたのだろう。
いつか災いの日が来ると解っていた筈なのに、私は容易く出し抜かれて……いや、私の未来視は正しかったのかも知れない。
未然に防げないからこその、私にとっての災いの運命なのだ。
現にあの光の魔女は、私を赤子の手を捻るように呆気なく封殺した。
本当に、あの人の力はただただ恐ろしかった。
──Disce ab heri et vivat hodie, cras enim spes.
けれど私は、諦めなかった。
あの人によって意識を奪われる最中、私は確かに声を聞いたのだ。
優しくて、強くて、けれどとても必死そうな──そんな、声を。
声は言った。貴女達を救う希望の光は必ずある。その未来を視てください、と。
──Ubi omnia perdidit aliud est, permanet usque in posterum.
だから私は最後の力を振り絞り、未来を視る。
私の大切な人達が、魔女の光によって塗り潰される光景を。
その未来を覆すために、私はあらゆる可能性を探した。
あの人の強過ぎる光を撃ち破ってくれる、そんな希望の光を。
──Praeteritum, praesens, futurum, Volo facere omnia mirifica memorias.
藁にも縋る想いで、私は光を探して、探して、探して、探して、探して──そして私は見つけられた。
私達を救ってくれる希望の光を。
さあ選べ。
彼女と確実に出会える未来を、あらゆる可能性の中から選び出す。
さあ導け。
彼女を目覚めさせるために、過去、現在の運命すらも導いていく。
さあ創れ。
彼女と出会うための縁を、運命を、未来を──私の魔導はあらゆる運命を創造する。
──Creare potestate mea in posterum!




