シーソー
幸福なんです
ちょっとお金が心配で
ちょっと恋人がいなくて
全てを手に入れたわけでないけど
私は私を生きている実感があるから
だから今は幸福なんです
なのに何処と無く足りないというか
なのに何処と無く不幸というか
ばったん
ばったん
シーソーはあがったりさがったり
幸福と不幸をいったり来たり
ちょこんとはしっこに座った私は
何かと何かをいったり来たり
私は漸く幸福なんです
私は漸く私を見つけたから
私は漸く幸福なんです
だからこんなのは嫌
不安な気持ちを押し込めて
よくわからない幸福とよくわからない不幸を
いったりきたりしてるのは
だから
目を凝らして
シーソーの反対側を見てみるの
するとね
なぁに
そこには誰もいない
なぁに
そこには何もない
ばったん
ばったん
シーソーを揺らしていたのは
地面を蹴りだす私の足だった
幸福も不幸も
正体不明どころか
正体は何もなかった
おりよう
もう、いいから
シーソーからおりよう
シーソーは乗りたい人が乗れば良い
私はいらないわ
おりよう
シーソーからおりよう
座る所を失うのは不安だけど
私は漸く私を見つけたから
私は私を生きたいもの
不幸はもういらない
辛い、悲しい、苦しい、寂しい
人生にはそんな事沢山あるけど
そんな事、とっても知ってるけど
もう、不幸にはならない
しんどこと全部味わいながら
私は私を全うしていく
だから
おりよう
上下運動しかできないシーソーから
おりよう
おりよう