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ビール&ウィンナーと獅子族のビアガーデン


「どう?レオン、愛之助、味の方は大丈夫?ちゃんと出来てる?」


緊張と心配で顔がこわばった愛満が、何やら試飲している愛之助や獅子族のレオン、レオンと同じ作業服姿の獅子族の皆に質問する。


「そうでござるね。泡もきめこまかく、香りも良いでござるし。喉ごしも最高でござる。うん!完成でござるよ!」


「うめー!何回が試飲させてもらったけど、いつ飲んでもビールは旨いなー!」


「愛満、安心しろ。こんなに旨いビールなら誰も文句は言わねぇよ。嫌!俺が言わせねぇ!」


「本当に旨えなぁ~!こんな旨いビールが毎日飲める事になるなんて、レオンの話にのって、この村に移住して来て本当に良かったぜ!」


「本当だよなぁー。俺もしみじみあの時の自分の判断は間違ってなかったと自分で自分を誉めてやりたいぜ!」


「本当に!良かった~!村に来てる冒険者の皆からの連日の問い合わせに僕もギルドの皆も疲れちゃって、ついビアガーデンを明後日オープンするて言っちゃったから、ビールの出来栄えがどうか心配でドキドキしてたんだ。

けど本当に良かった。肝心のビールが無きゃビアガーデンじゃないもんね。」


お酒が飲めないゲコの愛満が心配するなか、愛之助や今日までビール作りを頑張ったビール職人の旨いの声に朝倉村初のビールが完成する。



◇◇◇◇◇



実は村を訪れる冒険者達の朝倉村特産の米のお酒も美味しいのだが、長期の滞在になるとたまには飲み慣れたエールも飲みたいとのギルド長の琴柏谷が言うには、ワガママな要望が何件か有り。


愛之助とも相談して、この世界では各王国が管理するエールは作り方を知らないから無理だが、あちらの世界のビール作りなら愛之助が知っていて大丈夫だからとギルド長の琴柏谷に相談して、この世界初のビール職人になる人達を集めてもらい。


ギルド長の琴柏谷の提案で、ドワーフの次に酒好きな種族だと言われる。知り合いの獅子族のレオンに話を持ちかけ。

その後、レオンの家族や親兄弟など総勢30人を朝倉村に呼び寄せ。愛之助監修のもと、本格的なビール作りが始まっていたのだ。


(ここだけの話。初めはドワーフ族にどうかと琴柏谷と話していたのが、村に住むドワーフの凱希丸が酒好きのドワーフに任せると味見としょうして飲み尽くしてしまうだっぺと忠告を受け。

酒好きだが、不正を嫌い。任された仕事は責任を持ち。真面目に働く獅子族に決定したのだ。)


そうして自分達が初めて作り上げたビールが完成した喜びや試飲で使い物にならない獅子族の男達を残し。

愛満は、ビアガーデンで接客や調理場を担当してくれる働き者の獅子族の女性人の所に移動する。



◇◇◇◇◇



「おはよう。どんな具合?何か足らない物とか有る?」


愛満がまだオープンしてないビアガーデンに入り、中で何やら作業している人達に声をかける。


「あら、愛満!いらしゃい。今日はビアガーデンで出す料理を教えてくれる日だったわね。」


愛満の声に気づいた1人が親しげに話しかけてくる。


「あっ、カロ姉ちゃん、おはよう。

うん!今日はビアガーデンのメニュー作りの日なので来たんだ。もう初めても大丈夫?」


愛満が親しく話すこの女性は先ほどのレオンの母親で、このビアガーデンを仕切るボスになり。ビアガーデンでは調理場で腕をふるってもらう事になっている。


ちなみに呼び名はカロ本人の強い希望によるもので、他の呼び名で呼んでも答えてもらえず。恐ろしい事が起こるので、愛満や愛之助達もカロ姉ちゃんと呼んでいる。


そうすると愛満が来た事を知った獅子族の女性達が集まって来て、次々に獅子族にはいない。

小さく、ちまっこい体型の愛満の頭を撫でては『小さくて可愛い』、『お人形みたいね』と騒ぎ。愛玩動物のように可愛がり出す。


そう何を隠そう、獅子族の女性人は愛満が見上げるほどの2メートルを越えた高い身長が有り。

色白の肌に輝く大金の髪と青い瞳にグラマーな体型なのだが、スポーツマンのような筋肉質の逞しい(たくましい)体格をしており。

獅子族の女性人に囲まれると、ちまっこい愛満なんかは一瞬で隠れてしまい、見えなくなってしまうのだ。


そうして愛満がもみくちゃになりながらカロの方に逃げようとしていると獅子族の女性人にカロの雷が落ち。


「………ハッ…ハッ……ハァ~……ふぅ~~~、いつもすいません、カロ姉ちゃん。助けてくれてありがとう。」


「何言ってんだい、愛満。こっちこそいつもごめんよ。

獅子族じゃ5才を過ぎた辺りから皆グングンと縦にも横にも大きく成長するから、愛満みたいな可愛い子を見つけると小さい頃の子供や兄妹を思い出し、ついつい構い過ぎちゃうんだよ。」


「ううん、気にしなくて大丈夫だよ。」


酸欠でヘロヘロになりながら無事助け出された愛満は、カロに料理を教えるため調理場へと移動するのであった。



◇◇◇◇◇



「と、大吉村で手作りされたウィンナーは、お湯で茹でるかフライパンで焼いて、仕上げにさっき焼いたキャベツやじゃが芋と一緒にお皿に盛り付け。

粒マスタードとケチャップを添えたら『5種類ウィンナー盛り合わせ』の完成だよ。

どうです?簡単でしょう。

後は、カロ姉ちゃん達の香草をすりこませたお肉を焼いたのを出したり。

ペッパー味やチーズ味、キャラメル味がある『ナッツ盛り』を出したりしたら良いよ。

それに持ち込みΟΚにしたから、これでビアガーデンのメニューはバッチリだよ。だから安心してね、カロ姉ちゃん。」


「そんなに心配しなくても大丈夫よ、愛満。基本焼いたり茹でたりするだけたがら、私でも何とか大丈夫そうだわ。」


「本当に!良かったね~♪それを聞いて安心した~。」


「あら、そんなに心配かけてたのね。ごめんね、ありがとう。」


「ううん、僕が心配症過ぎるのがいけないだけなんだから、カロ姉ちゃんは気にしないで。

それにね、基本5種類のウィンナーは大吉村のだし、野菜は村で採れる新鮮野菜を使用して、獅子族の皆が頑張って作ったビールが有るんだから、きっと繁盛するはずだよ!」



基本、香草をすりこみ焼いたお肉や生野菜を好んで食べ。種族がら料理の得意では無い獅子族のカロがストレスを感じずに簡単に作れる料理を楽しそうに教えながら(料理と呼べるかは不明だが)、朝倉村初のビアガーデンのオープンの日を楽しみに待ちわびる愛満達なのであった。




ブックマーク、お気に入り、評価をくださった方、本当にありがとうございます。

誤字、脱字が多々ある作品ですが、これからもよろしくお願いします。



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