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春人参のモチモチ団子と雨の日の過ごし方


「タリサ上手だね!すりおろした春人参と白玉粉もキレイに混ぜ合わさっているし。白玉粉の粒も無くなるまで、きちんと練ってあるね、ありがとう。

それじゃあ、タリサが頑張って練ってくれた白玉人参生地に、愛之助が切ってくれた小口切りした小ネギ、ピザ用チーズを加え混ぜたら、皆に丸めて平らにしてもらおうかなぁ。お手伝いしてくれる人~!」


「「「「は~~い!!」」」」


マイ◯ロちゃんが描かれたエプロンと三角巾を装備した愛之助やマヤラ、山背が元気に返事をして、楽しそうにお手伝いを始める。



◇◇◇



愛満や愛之助達が何をしてるかと言うと

実はこの日、朝倉村では朝から大粒の雨が降り続き、次第に雨足も強まり。薄暗い空の下、稲光させながら雷が鳴り響き。

外に出掛けるのは危険だからと愛之助達に外出禁止令が出され、日課の夜花の家にも遊びに行けず。

暇をもてあましている愛之助達に気付いた愛満が、4人の気分転換になればとお昼ご飯作りを手伝ってもらっているのだ。



◇◇◇



そうして白玉人参生地を丸め終わった愛之助達が、別の料理を作ってる愛満に声をかける。


「愛満、白玉人参生地丸めて平らにしたでござるよ。次は何をしたらいいでござるか?」


「よしみちゅ、おわっちゃよ。マヤラちょうじゅにまりゅめちゃんじゃよ!ちゅごい?」


「愛満、丸め終わったよ。次は?次は?」


「丸めて平らにし終わったのじゃ。次は何をしたらいいのかのう。」


「4人ともありがとう。次はごま油をしいたホットプレートで焼くだけなんだけど、4人に任せても大丈夫?」


別の料理を作っていて手が離せない愛満が、次の作業になるごま油をひいたホットプレートで人参団子を焼く作業を4人に頼む。


するといつもは、まだまだ幼いマヤラもいるため、火傷や怪我をしたては危ないからと愛満抜きでは滅多に頼まられない焼きの作業を頼まれ。愛之助達は飛び上がらんばかりに喜び。


「ま、任せるでござるよ!拙者、愛満の期待に応えられるように綺麗に焼き上げてみせるでござるよ!」


「や、焼きを任せてもらえるの!?やったー!」


「やちゃー!マヤラがんばりゅ!!」


「愛満、ワシに任せるのじゃ!これでも焼きの山背と言われた男じゃ、絶妙に焼き上げてみせるのじゃ!」


「う、うん。火傷しないように気を付けてね。」


愛満が少し引くぐらい、愛之助達4人はテンション高めに作業に取り掛かるのであった。



◇◇◇◇◇



「美樹、美味しい?それタリサ達が作ったんだよ!」


「よちき、おいちい?おいちいでちょ!」


タリサとマヤラが美樹の両隣に座り。自分達の焼いた『人参団子』の感想をワクワクした様子で質問する。


「あぁ、モチモチした食感で旨いな!

それに練り込まれた小ネギの風味やほんのり溶けた塩気のあるチーズ、色鮮やかな人参の甘味とタリサやマヤラ達の美味しくなれの気持ちが沢山詰まってて、スゴく美味しいぞ!」


タリサとマヤラの様子を微笑ましそうに見ながら美樹が2人を誉める。すると愛之助も隣に座る黛藍に自分達の焼いた人参団子の出来映えを聞き始め。


「黛藍!黛藍はどうでござるか?拙者達の作った『人参団子』味や焼き加減などおかしい所は無かったでござるか?」


「うん、美味しいアルよ!すりおろした春人参が入ってアルから色合いも鮮やかで、綺麗な色のモチモチした団子アルね。

焼き色も程好い焼き色がついているアルし、表面は香ばしく、中は春人参のほのかな甘味やモチモチした食間が楽しめて、実に良かったアルよ!

それに食べやすい一口サイズの円型で美味しいアルから、ついつい手がのびてしまうアルね。」


春人参を使用した鮮やかな色合いの見た目や一口サイズに平らに丸められた、食べる人の事を考えられた『人参団子』の出来映えを黛藍が誉めてくれ。

そんな黛藍の言葉に愛之助が嬉しそうに微笑むなか、美樹や黛藍の感想を聞いた山背が満足に頷き。


「そうじゃろう!そうじゃろう!なんたってワシが端正込めて一つ一つ焼き上げた人参団子じゃから旨いに決まっとるのじゃ!

……モグモグ………モグモグ………うんうん、旨い旨い!

しかしこの人参団子は小ネギやチーズが入っておるから、酒のつまみやおやつにも良いのう~♪

くぅーーー!今が夜なら酒と一緒に楽しめたものを惜しかったのじゃ!」


その日1日を頑張った自分のご褒美として、夜ご飯の時などにしかお酒を飲まないと自分の中のルールとして決めているらしい山背は、晩酌にピッタリな塩っけの有るつまみを前に、お酒を楽しめない事を悔しがる。



◇◇◇◇◇



こうして、万次郎茶屋での何気無い雨の日の1日は過ぎていくのであった。




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