和菓子『三色だんご』と3人のかしまし雀族
その日 万次郎茶屋では、3人の良く似た顔立ちの人物が終わらないお喋りに花を咲かせていた。
その3人とは、朝倉村にある病院に勤めている王都からやって来た。
小柄な体格に茶色のおかっぱの髪型と林檎のほっぺが可愛いらしい雀族のタレ目の陽翠、クリクリお目めの翼沙、つり目の結翔の仲良し3人組になる。
「ねぇ、ひぃちゃんとゆいちゃん『みっくちゅじゅーちゅ屋』さんの新メニューのジュース飲んだチュ?」
「ううんチュ。まだ飲んでないチュよ。つーちゃんは、飲んだチュか?」
「えっ!つーちゃん、新メニュー出てるチュか?知らなかったチュン!」
ケンタウルス族が営む『みっくちゅじゅーちゅ屋』さんの新メニューの話で、陽翠達3人が盛り上がっていると愛満がお盆を持って、3人のテーブルにやって来る。
「3人とも楽しいお喋りの途中にゴメンね。
いつも万次郎茶屋をご贔屓にしてくれる3人に、お店からのサービスで、新登場の『三色だんご』と『苺サイダー』をサービスするね。」
3人の前に4月から発売を始めた『三色だんご』と苺フェアの商品の1つでもある『苺サイダー』を置き。
愛之助やタリサ達が勉強しているテーブルにも、同じ物を持っていってあげるため3人の元を離れる。
そんな愛満に『愛満、ありがとうチュ!』とお礼の言葉を言いながら、甘い物が大好きな陽翠達は嬉しそうに『三色だんご』を見つめ。
「ねぇねぇ、つーちゃん、ひぃちゃん。この『三色だんご』、ピンクに白、黄緑で可愛いチュね♪」
「本当だねチュ♪食べるのがもったいないぐらいだチュね……まぁ、けど甘い物好きな翼沙は食べるチュけどね♪」
「本当に可愛いチュね。こんな薄ピンクの桜色の服が欲しいチュ♪」
『三色だんご』の淡いピンクのお団子を見て、春らしい色の装いに、オシャレさんな陽翠が桜色の春服が欲しいと話す。
すると3人の仲で一番情報通の翼沙が
「えっ!ひぃちゃん、桜色の服なら呉服屋さんに売ってたチュよ。」
「えっ、そうなのチュ?なら新作の春物買いたいチュから、後で3人で見に行こうチュよ。」
「良いチュね♪後で行こうチュ!
それでその後は、『香屋』に春限定の匂い袋を見に行こうチュ♪」
「良いチュね!賛成~~!」
雀族の3人はチュンチュン言いながら、『三色だんご』の可愛さ等をひとしきり話し、盛り上がるとやっと三色だんごを食べ始める。
「美味しいチュン♪可愛らしい淡いピンクと、爽やかな真っ白、新緑を思わせるヨモギの真ん丸コロコロのお団子が、甘さ控えめであっさりして、何本でも食べれるチュよ!」
「本当に美味しいチュね!お団子がむっちり歯応えがあって、それでいて華やかな可愛さにホッとするチュよ♪」
「三色だんご美味しいチュね♪小さめの串で、愛満が作ってくれているから何本でも食べれるチュン♪」
「あっ、それ解るチュ!前にリサ先生が『甘酒』と『みたらし団子』をお土産に買って来てくれたチュが、最初の一個は良かったチュが、二個目、三個目になると串が邪魔して口の回りが汚れたり、食べにくかったチュもんね!」
「そうそうチュ!美味しいからついつい食べちゃうチュが、串物の食べ物は、なかなか汚れないように綺麗に食べるのが難しいチュよね~~!」
度々話の話題があちらこちらに飛びながら、3人が楽しそうに話していると愛満がやって来て、『三色だんご』の感想を聞く。
「どう?3人とも『三色だんご』人気でそう?
一応、赤と白が紅白のめでたい色で、緑色が邪気をはらうと言われていて縁起の良い和菓子になるんだけど………」
村にある婦人会の次に情報通と言われる3人に、縁起が良いため春の新作にと思っている『三色だんご』の出来を質問する。
「うん、人気が出ると思うチュよ♪
ピンクと白、ヨモギ色の艶のある美味しそうなお団子が3個串に刺さって食べやすく、見た目も春らしい色合いで可愛いチュから人気が出るチュよ♪」
「そうチュン♪それにお団子の味も甘さ控え目でホッとする甘さで、これなら甘い物が苦手な人でも食べられと思うチュよ♪」
「歯応えもむっちりモチモチで美味しいチュから愛満、心配しなくても大丈夫チュよ!
結翔達が、ちゃーんとお花見やおやつにピッタリと宣伝してあげるチュ!」
翼沙、陽翠、結翔の3人が太鼓判を押してくれる。
◇◇◇◇◇
こうして、4月の期間限定・新商品になる『三色だんご』が万次郎茶屋のメニューへと仲間入りするのであった。




