苺フェスタと苺忍者隊
「皆さん、今日はお忙しい中 お集まりいただき ありがとうございます。
この度は苺忍者隊の頑張りの結果、村の苺の在庫がたまりにたまり。
6月いっぱい朝倉村の食べ物屋 朝食組合初になる『苺フェスタ』を開催するはこびになりました。
ご迷惑をおかけすると思いますが、何卒よろしいお願いいたします。
では、今日の司会を勤めさせていただきます。組合会・会長の万次郎茶屋 主人 愛満になります。どうぞ、よろしくお願いします。」
愛満の挨拶とともに、何度目かになる朝食組合の会合が始まるのであった。
◇◇◇◇◇
何故こんな会合を愛満達がしているかというと、つい最近 愛満が存在を知った『苺忍者隊』が調子にのり。
村の中に苺畑が増えすぎたため、村人達が毎日食べても食べても苺が余ってしまい。
米騒動ならぬ、『苺騒動』がケンタウルス族のヤマト夫婦や妖精族のササナからの相談で発覚。
もしやと思い愛満が、他の苺畑を持つ村人達にも話を聞いたところ、アチラコチラで同じような騒動が起きており。
これは一大事だと、朝倉村の全ての飲食店が加入している朝食組合での会合のもと
苺を美味しく食べながら減らそうと村人を始め、朝倉村を訪れる人達を対象にした『苺フェスタ』を開催する事が決まったのだ。
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「では、今から各店舗と話し合いのすえ決まりました。お店にあわせた苺を使ったお菓子を発表していきます。
発表の後で、この前お渡した苺菓子のレシピの作り方などが解らない方は、お見せしながら一緒に作り。作り方をお教えします。
それから苺フェスタ中の苺菓子は、お教えした苺菓子以外にも各店舗で考え、創意工夫された苺を使ったお菓子や料理を何品でも販売されても大丈夫ですので、この機会に新レシピの開発に頑張って下さい。」
話し、愛満が各店舗の苺菓子を発表していく。
「『風呂屋・松乃』のユグトさんが管理している3つの食事処が、お店の雰囲気に合わせ簡単に作れ提供できる。
ターハ達のパン屋から仕入れたフランスパンや食パンを使って店内で食べる。
・フレンチトースト~濃厚苺ソース、生クリーム、苺 添え~
・苺のキッシュ
他にも苺の中に練乳を詰め込んだ。お風呂上がりにピッタリで、店内で食べれて持ち帰りできる。
・まるごと苺の練乳アイス
地熱の蒸気を利用して、店内で食べれて持ち帰りできる。
・苺とカスタードクリーム入りの苺蒸しパン
『松乃内の売店2ヶ所』に備え付けてあるソフトクリーム器を使って
一ヶ所は、食べ歩き用の
・濃厚苺ソースをかけた苺のソフトクリーム
もう一ヶ所も食べ歩き用の
・苺とバニラのミックスソフトクリーム
・ストロベリーフローズン
『風呂屋・2号官』が
・苺の米粉蒸しパン
・苺の盛り合わせ
・苺のソフトクリーム
・苺とバニラのミックスソフトクリーム
・ストロベリーフローズン
・ストロベリージュース
『シャルさん家の米菓子店』が食べ歩き、持ち帰り用の
お店のポン菓子を使った
・苺のミルクバー
お店の甘酒を使って
・苺の甘酒ムース
『リメルのプリン店』が、店内で食べれて持ち帰りできる
・苺プリン
・苺の果肉入りミルクプリン
『レムさん家の八百屋』が、5種類の苺を仕入れて売り出してくれる。持ち帰り用の
・籠盛り苺 5種類
系列の『大地の恵み店』が、コレからの花見や暖かい季節にピッタリで、彩り綺麗な持ち帰りと食べ歩き用
・苺とオレンジの蜂蜜マリネ
・練乳苺
・フルーツポンチ
生の苺に飴を絡めた、パリパリした食感と生の苺がジューシーで美味しい。持ち帰りと食べ歩き用の
・苺飴
『ターハ達パン屋』が、基本持ち帰り用だけど自由にテラス席でも食べれる。
パンやビスケットにつけて食べたら美味しい
・苺のふあふあバター
引き続き苺の果肉がゴロゴロ入った人気の手作り
・苺ジャム
・苺ジャムパン
チョコカスタードコロネの新登場味で、生の苺果肉が入ったチーズクリーム入りの
・苺のミルクチーズコロネ
ふあふあしっとりの厚切りサンドイッチ用食パンに挟まれた生クリームとカスタードクリームの間に丸々1個の大きな苺が並んだ
・苺のクリームサンドイッチ
苺の果肉とホワイトチョコを練り込んで焼いたフランスパンを苺ミルク液に漬け込んで焼いた
・苺のフレンチトースト
『黛藍の包子屋』が、持ち帰りと食べ歩き用の
苺の果汁を練り込んだほんのりピンク色した生地に苺カスタードクリームを包んで苺型に成形して蒸した
・苺のカスタードマン
『朱冴のコンビニ』が持ち帰りと食べ歩き用で、念願の手に入れたシェーク器を使って、バニラ味、チョコ味に続き新登場
・ストロベリーシェーク
・苺とベリーのシェーク
『青那のラーメン・袋屋』が店内で食べれて、食後のデザートになる
・苺のシャーベット
・ストロベリーソーダ
ケンタウルス族の『みっくちゅじゅーちゅ屋』が、持ち帰りと食べ歩き用の
・苺の果肉ゴロゴロの苺ミルク
ホットorクール
(トッピング)+ソフトクリーム(ホットorクール)、マシュマロ(ホットのみ)
・苺ジュース
・苺とベリーのミックスジュース
(トッピング)+ソフトクリーム、苺ソース
・苺と野菜のミックスジュース
・苺ゼリーのクラッシュジュース
ミルク味orソーダ味
(トッピング)+ソフトクリーム、苺ソース、生の苺
ケンタウルス族の『鉄板・お好み焼き屋』が、店内で食べれて持ち帰りもできる。
・苺の牛乳寒天
最近オープンした苺菓子を主に提供する。
ケンタウルス族夫婦のヤマトさん、キユさん、妖精族のササナさんの『純喫茶店』が、店内で食べれて持ち帰りできる
・リコッタチーズのパンケーキ
◆苺スペシャル
(生クリーム、苺、苺ソース、バター、粉砂糖)
◆フルーツスペシャル
(生クリーム、バター、メープルシロップ、苺、バナナ、マンゴー、キウイ、ブルーベリー、粉砂糖)
◆バナナチョコスペシャル
(バナナ、チョコソース、生クリーム、バター、アーモンドスライス)
・苺のショートケーキ・ホール有り
・苺のタルト・ホール有り
・フルーツタルト・ホール有り
・苺のロールケーキ
・フルーツロールケーキ
・苺だらけの苺パフェ
・苺とフルーツパフェ
・苺ゼリー
飲み物が
・ストロベリーソーダ
・ストロベリークリームソーダ
・苺のカルピスジュース
・ストロベリーティー
そしてうちの『万次郎茶屋』が
・苺大福
・苺饅頭
・苺のクリームどら焼き
・苺の餡ロール巻き
・苺の錦玉
になります。
『黄金唐揚げ屋』と『玉子焼き専門店』は、今回は匂いなどの関係で苺メニューはありません。
では、次に苺フェスタの詳しい話にうつります。」
『苺フェスタ』で販売する苺菓子の話をしていき、話が終わるとレシピの作り方を習いたい者が愛満の所にやって来る。
そうして意外に人数も少なかった事も有り。場所を茶屋の台所へと移動すると『苺フェスタ』の苺菓子教室が始まる。
◇◇◇◇◇
「で、ヘタを取って半分に切った苺と蜂蜜、ちぎったミントを30分おいたものに、ひと房ずつ取り出したオレンジを合わせ。
冷蔵庫で約30分冷やしたら『苺とオレンジの蜂蜜マリネ』の完成だよ 。
では次に、最後のレシピになる『苺のふあふあバター』の作り方に移るね。」
愛満が説明すると、エルフ3兄妹でパン屋を営む長男のターハ達が作業台の近くに近づいて来る。
「では『苺のふあふあバター』を作り始めるね。
まず、洗った苺を手早く水気をふいて、ヘタを取り。
小さく切って鍋に入れ、レモンの絞り汁を加え、ふたをして中火にかけるよ。」
愛満が説明しながら手際良くお菓子作っていくのをターハ達が真剣な眼差しでノートに書き写していく。
「先ほどの鍋が煮立ったら、鍋のふちが焦げないようにつねに木ベラで混ぜ。
苺の水分が完全に飛び、ペースト状になるまで煮詰め、蜂蜜を加えるよ。
それからまた混ぜながら3~4分煮詰め。火を止めて、そのまま完全に冷まして。
その間にボウルに無塩バターを入れ、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜ。
先ほどの苺ソースを加えて混ぜたら完成になるよ。
時が止まる魔法をかけた瓶を使わない場合は、煮沸消毒した瓶などに詰め。冷蔵庫で約3~4日は持つからね。
それじゃあ、途中解らない所は無かった?」
参加者達に声をかけると、みんな首を振り。何も質問が無いようだったので愛満は更に続けて
「質問も無いようなので、皆で作った苺菓子を試食してみましょうか!」
提案して、参加者達と手作りした苺菓子達を試食しながら、明後日から始まる『苺フェスタ』に思いをはせる愛満達なのであった。